2026年1月20日

新卒採用

新卒エンジニア採用が難しい理由とは?プロが教える7つの成功のコツと採用手法

エンジニアの中途採用がうまくいかず新卒採用に切り替えたものの、思うように学生が集まらない。
ようやく内定を出せても、辞退が続いてしまう。
そんな壁に直面している採用担当者の方は少なくありません。

新卒エンジニアの採用市場は年々競争が激しくなり、これまでのやり方が通用しにくくなっています。

この記事では、新卒エンジニア採用が難しい理由を2026年の最新データを交えながら解説します。また、採用のプロが教える7つの成功のコツやおすすめの採用手法までをわかりやすく解説します。

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新卒エンジニア採用とは?なぜ注目されているのか

エンジニア採用というと、即戦力となる中途採用を思い浮かべる方が多いかもしれません。実際、これまで多くの企業が中途採用を中心にエンジニア組織をつくってきました。

しかし近年は、経験者の獲得競争が激しくなったことを受けて、新卒採用に力を入れる企業が増えています。

ここでは、新卒エンジニア採用の基本と、注目される背景を解説します。

新卒エンジニア採用とは

新卒エンジニア採用とは、大学・大学院・専門学校などを卒業予定の学生を、エンジニア職として採用する活動のことです。対象は情報系の学生に限らず、文系や非情報系の学生まで広がっています。

中途採用と違って実務経験を問えないため、現時点のスキルよりも、学習意欲や伸びしろといったポテンシャルを評価して、入社後に育てていく採用手法になります。

新卒エンジニア採用が注目されている背景

dodaの調査(2026年)によると、エンジニア(IT・通信)の転職求人倍率は11.06倍でした。転職を考えるエンジニア1人に対して約10件の求人がある計算で、全職種平均の2.55倍を大きく上回ります。

経験者の獲得競争がこれだけ激しいと、年収相場も上がりやすく、中途採用だけで開発組織を拡大するのは現実的ではなくなってきました。

そこで、ポテンシャルのある学生を採用して自社で育てる方針に切り替える企業が増えています。

出典:doda「転職求人倍率レポート(2026年6月)

新卒を採用する3つのメリット

新卒エンジニアの採用には、主に3つのメリットがあります。

  • 開発文化になじみやすい
    最初のキャリアを自社で始めるため、開発の進め方や技術スタックを素直に吸収してくれる

  • 長く活躍してもらいやすい
    中長期で会社への愛着が育ちやすく、将来のリーダー候補になる

  • 育成ノウハウが社内に蓄積される
    研修やOJTの仕組みが残り、採用を重ねるほど組織が強くなる

新卒エンジニアも採用が難しいと言われる理由

中途エンジニアの採用競争が激しくなるなか、将来の戦力を育てる新卒採用に力を入れる企業が増えています。しかし、新卒であれば採用しやすいわけではありません。

実際、レバテック(2026年)によると、26卒のエンジニア採用では約4社に1社が採用目標を下回る見込みと回答しています。ただ、うまくいかない原因は担当者の力不足ではなく、市場そのものの変化にあるケースがほとんどです。

ここでは、新卒エンジニア採用が難しい3つの理由を解説します。

①初任給の引き上げ競争が激しくなっている

1つ目の理由は、新卒エンジニアの初任給が全体的に上がり、待遇面での競争が激しくなっていることです。

レバテック(2025年)によると、26卒のエンジニア志望学生が理想とする初任給は「28〜30万円未満」が最多でした。企業側もこの動きに応えており、レバテック(2026年)の調査では、新卒エンジニアの初任給を昨年度から引き上げた企業は8割を超えています。

大手と同じ土俵で給与勝負をするのは簡単ではありません。中小企業やスタートアップには、開発環境や任される仕事、成長機会など、給与以外の魅力を具体的に伝えることが求められます。

②求めるスキルの見極めが難しくなっている

2つ目の理由は、生成AIの普及によって、従来の方法では学生のスキルを見極めにくくなっていることです。

レバテック(2026年)によると、27卒のエンジニア志望学生の就活におけるAI利用率は70.8%と、26卒の47.2%から20ポイント以上増加しました。コーディングテストや提出課題の出来だけでは、本人の実力なのかAIの力なのか判断しづらくなっています。

そこで有効なのが、結果ではなく思考プロセスを聞く面接です。
「このコードで工夫した点と迷った点を教えてください」「AIの出力をそのまま使わなかった箇所はありますか」といった質問なら、本人の理解度や学習姿勢まで見えてきます。

③採用後の教育と定着に時間がかかる

3つ目の理由は、採用がゴールではなく、戦力になってもらうまでに教育と定着への投資が必要なことです。
新卒エンジニアが一人前に育つには、技術研修やOJT、メンターによるフォローなど、現場の時間を割いた支援が欠かせません。

育成体制がないまま採用してしまうと、入社後に放置される形になり、早期離職につながるケースが多くみられます。採用計画と育成計画をセットで設計しておくことが、結果的に採用成功への近道になります。

新卒エンジニア採用を成功させる7つのコツ

新卒エンジニアの採用が難しい理由を理解しても、「具体的に何から始めればよいのか」と悩む採用担当者は少なくありません。

採用を成功させるには、学生との接点のつくり方や選考の進め方を一つずつ見直すことが大切です。適切な施策を積み重ねることで、スカウトの返信率や内定承諾率の改善も期待できます。

ここでは、新卒エンジニア採用を成功に近づける7つのコツを解説します。

①求める人材像を言語化する

最初に取り組みたいのは、どんな新卒エンジニアを採用したいかを言語化することです。

  • 技術レベルはどこまで求めるのか

  • 学習意欲や価値観で重視する点は何か

  • 入社後はどのチームに配属するのか

まで整理します。人材像を現場と共有しておくことで、選考基準のブレを防ぎ、スカウトや面接の精度も上がります。

②現場エンジニアを選考に巻き込む

カジュアル面談や技術面接には、現場のエンジニアに参加してもらいましょう。

学生は「どんな人と、どんな環境で働くのか」を重視しており、現場の生の声はどんな採用資料よりも説得力があります。スキルの見極め精度が上がる点でも、現場の協力は欠かせません。

③採用チャネルを組み合わせる

1つの手法に依存せず、複数のチャネルを組み合わせることも大切です。

たとえばスカウトで早期に接点をつくり、インターンシップで相互理解を深める、といった設計です。
チャネルごとに出会える学生の層が異なるため、組み合わせることで応募者の数と質を両立できます。
それぞれのチャネルの特徴は、後述の「新卒エンジニア採用の主な手法5選」で詳しく解説します。

④開発環境や技術情報を公開する

使っている技術スタックや開発の進め方を、学生から見える場所に公開しておくことも重要です。

実際に、トラックレコードが上場SaaS企業17社×5年分のデータを分析した「THE採用構造 Vol.1 採用広報とエンジニア採用の相関分析」では、情報発信の量が多い企業ほどエンジニアの人数も増えている関係が確認されています。

たとえばnote記事を1本発信するごとに、翌年のエンジニア数が平均0.72人増えるという結果でした。開発者インタビューや働き方のリアルな発信が、候補者からの信頼づくりに効いていると考えられます。

情報発信することがどれだけ採用に効くのか、どの程度発信を続けると成果が見え始めるのかは、THE採用構造 Vol.1 」にまとめています。ぜひKPI設計や社内稟議に活用してください。

エンジニア採用における「採用広報の効果」を17社5年分のデータで見る

⑤スカウトは一人ひとりに合わせて送る

スカウト型の媒体を使う場合は、テンプレートの一斉送信ではなく、一人ひとりに合わせた文面を心がけましょう。

プロフィールのどこに魅力を感じたのか、入社したらどんな成長機会があるのかを具体的に書くだけで、返信率は大きく変わります。学生側も多くのスカウトを受け取っているため、「自分を見てくれている」と伝わるかどうかが分かれ目になります。

⑥選考のスピードを上げる

優秀な学生ほど複数社の選考を同時に進めているため、選考スピードは結果を大きく左右します。

  • 書類選考の回答を早める

  • 面接日程を柔軟に調整する

  • 選考ステップを絞る

など、応募から内定までの期間を短くする工夫を重ねましょう。
対応の早さ自体が「学生を大切にする会社」というメッセージにもなります。

⑦内定者フォローで承諾率を高める

内定を出しても、承諾してもらえるとは限りません。
内定から入社までの期間に、定期的な面談や勉強会、懇親会などの接点をつくり、不安を解消していくことが大切です。

具体的な取り組みは、内定者フォロー事例15選でも紹介しているので、あわせて参考にしてください。

新卒エンジニア採用のおすすめの採用手法5選

前述の7つのコツを実践するうえで、「そもそも学生とどこで接点を持てばよいのか」と迷う採用担当者も少なくありません。自社に合わない手法を選ぶと、費用や工数をかけても、思うように応募が集まらない可能性があります。

新卒エンジニア採用の手法には、それぞれ向いている企業や目的があります。自社の知名度や予算、採用人数に合わせて使い分けることでことが大切です。

ここでは、新卒エンジニア採用でおすすめの5つの手法について、それぞれの特徴と向いている企業をあわせて解説します。

採用手法

特徴

向いている企業

採用単価(目安

ダイレクトリクルーティング

企業から学生に直接スカウトを送る

知名度に頼らず攻めの採用をしたい

約40〜100万円

人材紹介エージェント

要件に合う学生を紹介してもらう

採用工数を抑えたい

約50〜150万円

就活サイト・求人広告

媒体に掲載して応募を待つ

幅広く応募を集めたい

約50〜100万円※1

インターンシップ

就業体験を通じて相互理解を深める

早期から学生と接点を持ちたい

約100〜250万円※2

リファラル採用

社員の紹介で学生と出会う

社員のつながりを活かしたい

約10〜50万円

※1:プランと採用人数により変動

※2:記載の金額(50万〜150万円)は「1人あたりの採用単価」ではなく、集客や企画・運営などを含めた「インターンシップ開催にかかる総費用」の目安です。実際の採用単価は【総費用 ÷ インターン経由での採用人数】となります。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、スカウト型の媒体を使って、企業から学生に直接アプローチする手法です。
応募を待つ必要がないため、知名度が高くない企業でも自社に合う学生と早期に接点をつくれます。

スカウト文面の作成や候補者選びに工数はかかりますが、新卒エンジニア採用との相性は良い手法です。

新卒紹介エージェント

新卒紹介エージェントは、エージェントに採用要件を伝え、マッチする学生を紹介してもらう手法です。
成功報酬型が中心のため、採用できるまで費用が発生しにくく、少人数採用や急な欠員補充にも使いやすい方法です。

エンジニア職に特化したエージェントを選ぶと、紹介の精度が上がりやすくなります。

就活サイト・求人広告

就活サイト・求人広告は、ナビ媒体などに求人を掲載して応募を待つ手法です。
多くの学生の目に触れる一方、掲載社数も多いため、知名度のない企業は埋もれやすい面があります。

近年は媒体への掲載だけでなく、noteやオウンドメディアなど記事型の自社発信を組み合わせて、企業理解を深めてもらう動きも広がっています。

インターンシップ

インターンシップは、就業体験を通じて学生との相互理解を深める手法です。
実際の開発業務に近い体験を提供できれば、スキルとカルチャーフィットの両方をじっくり見極められます。

就活が早期化するなかで、大学3年の夏インターンは学生との最初の接点として重要度が増しています。

リファラル採用

リファラル採用は、自社の社員から友人や後輩を紹介してもらう手法です。
エンジニア同士のつながりを通じて出会えるため、カルチャーフィットの精度が高く、採用コストも抑えやすいのが魅力です。

ただし紹介の数には限りがあるので、他の手法と組み合わせて使うのが現実的です。

自社だけで難しい場合は、外部支援も検討する

ここまで紹介したコツや手法を、採用担当者だけですべて実行するのは簡単ではありません。
特に新卒エンジニア採用の立ち上げ期は、採用戦略の設計やスカウト運用、選考体制の整備など、幅広い業務を同時に進める必要があります。

社内のリソースやノウハウが不足している場合は、採用支援サービス(RPO)を活用するのも有効です。
外部の知見を取り入れることで、採用活動を効率よく立ち上げながら、実践を通じてノウハウを社内に蓄積できます。

トラックレコードは、採用戦略の設計から採用ブランディング、スカウト代行などのリクルーティングまで、エンジニア採用を一気通貫で支援しています。実際に、トラックレコードが新卒エンジニア採用を支援した事例を紹介します。

レシピ動画サービス「クラシル」などを展開する運営するクラシル株式会社(旧:dely株式会社)

背景 : 3年ぶりの新卒採用で目標10名に挑戦

2022年卒でエンジニアを採用して以来、3年ぶりの新卒エンジニア採用再開に向け、採用設計を見直すフェーズでした。

打ち手 : ターゲットの見直しとインターンシップの刷新

  • 開発経験のある学生に絞らず、ポテンシャル層まで幅広くアプローチ

  • 候補者の志望度を高められるよう、インターンシッププログラムを改善

  • 内定者インターンを推奨し、ビジョン・ミッション・バリューの共有まで実施

  • 配属後も継続的にフォローを受けられるメンタリング体制を整備

成果 : 10名の内定承諾につながった

2026年卒エンジニア新卒採用では、目標としていた10名の採用を達成しました。
通過率や歩留まりといったKPIも順調に推移しています。

詳細はクラシル株式会社(旧:dely株式会社)の事例インタビュー記事をご覧ください。

新卒エンジニアの採用についてよくある質問

最後に、新卒エンジニア採用を検討する担当者の方からよく寄せられる質問をまとめました。

ここでは、費用感や採用ターゲットなど、社内で方針を固めるときに話題になるポイントを解説します。

新卒エンジニア採用の費用相場はどのくらいですか?

手法によって幅がありますが、1人あたりの採用単価は数十万円から100万円前後が目安といわれています。

就活サイトは掲載料型、紹介エージェントは成功報酬型が中心で、エンジニア職は他職種より相場が高くなる傾向があります。ダイレクトリクルーティングは媒体利用料に加えて運用工数がかかる点も考慮しておきましょう。

金額だけでなく、1名採用あたりの費用対効果で比較することが大切です。

新卒エンジニア採用の一般的なスケジュールは?

新卒エンジニア採用のスケジュールは、以下のような流れが一般的です。

このように、新卒エンジニア採用は短期決戦ではなく、半年〜1年単位で考える採用になります。
あらかじめ全体像を描いておくことで、場当たり的な対応を防ぐことができます。

スケジュールが遅れるとどうなりますか?

可能です。知名度が低くても、スカウトやインターンシップで早期に接点をつくり、開発環境や成長機会を具体的に伝えることで、学生に選ばれる可能性を高められます。
大手と知名度で競うのではなく、自社ならではの仕事の魅力や経験できることを明確に伝えることが重要です。

スカウトの具体的な書き方は、エンジニアをスカウトするコツで解説しています。

まとめ

新卒エンジニア採用は、初任給の引き上げ競争や生成AI時代の見極めの難しさなど、市場の変化によって年々難易度が上がっています。だからこそ、本記事で紹介した7つのコツで運用の質を高め、自社に合う手法を組み合わせることが成功への近道です。

自社だけで進めるのが難しいと感じた場合は、外部支援も活用しながら、無理のない形で採用体制を整えていきましょう。 新卒エンジニア採用を“一時的な施策”ではなく、将来につながる投資として捉えることが成功への近道です。

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