伝わる会社説明会資料の作り方|100社調査でわかった必須9項目と成功事例

会社説明会資料は、会社概要や事業内容を順番に並べれば完成するものではありません。候補者が「この会社で働くイメージ」を持ち、次の選考に進むかどうかを判断するための重要な情報源です。

一方で、「何をどこまで載せればいいのか」「新卒と中途で内容を変えるべきか」「ページ数はどのくらいが適切なのか」と悩む採用担当者も多いでしょう。

この記事では、会社説明会資料に盛り込みたい9つの項目と、効果的な作り方を解説します。あわせて、会社説明会資料づくりにも参考になる「採用ピッチ資料100社調査」から、2026年の最新傾向を紹介します。

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会社説明会資料とは?採用成果を左右する3つの役割

会社説明会資料の目的は、単に「自社を紹介すること」ではありません。候補者が会社を知り、働くイメージを持ち、自分に合うかを判断するところまで後押しする必要があります。

ここでは、会社説明会資料が担う3つの役割と、あわせて採用ピッチ資料との違いを整理します。

会社説明会資料の3つの役割

会社説明会資料には、大きく次の3つの役割があります。

  1. 会社や事業を理解してもらう
    事業内容や仕事内容、組織について整理し、「何をしている会社なのか」という疑問を解消する

  2. 働くイメージを持ってもらう
    社員やカルチャー、キャリア、働く環境まで伝え、「ここで働く自分」を具体的に想像してもらう

  3. 候補者と企業の認識を揃える

    魅力だけでなく、求める人物像や働き方、選考についても伝え、入社後のギャップを減らす

特に近年は、「働くイメージを持ってもらう」という役割が強まっています。
マイナビ「2027年卒 内定者意識調査」(2026年)によると、入社予定先を選んだポイントは活動を終えた学生で「社風」が34.5%と最も多く、他社にはない魅力としても「社員の人柄・社風」や「働き方」が多く挙がりました。

出典:株式会社マイナビ「2027年卒 内定者意識調査」

採用ピッチ資料との違い

会社説明会資料と採用ピッチ資料は、掲載する内容は似ていますが、説明者がいることを前提にするかが大きな違いです。

項目

会社説明会資料

採用ピッチ資料

主な用途

説明会で投影して使用

Web公開・面談前後に共有

説明者

いることが前提

いなくても読める設計

情報量

要点を絞り、口頭で補足

資料だけで理解できる情報量

見せ方

写真・図・グラフ中心でも可

背景や文脈も文章で補足

特徴

プレゼンを支える資料

単体で会社理解を促す資料

実務では別々に作るのではなく、会社・事業・カルチャーなどの共通部分をベースに、用途に合わせて情報量を調整すると効率的です。

会社説明会資料に載せる標準構成9項目

決まらないまま他社の資料を参考にしていくと、項目が増え続けます。気づけば70ページを超えて、どこを削ればいいのかわからなくなることも起こります。

ここでは、会社説明会資料に載せるべき項目を9つに整理にし、「必ず入れる基本」と「志望度を左右するもの」に分け解説します。

必ず入れたい基本の5項目

まず欠かせないのが、

  • 会社概要

  • 企業理念・MVV

  • 事業内容・優位性

  • 仕事内容

  • 募集要項・求める人物像

です。特に注意したいのは、採用担当者にとっての「当たり前」を省略しないことです。自社ではよく使う事業用語やサービス名でも、候補者が理解しているとは限りません。

事業紹介では、「何を提供しているか」だけではなく、「誰の、どんな課題を解決しているのか」「市場の中でどのような位置にいるのか」まで整理すると理解しやすくなります。仕事内容も職種名だけで終わらせず、担当業務やチーム、1日の流れなどまで具体化しましょう。

志望度を左右する4項目

基本情報を理解したあと、候補者の意思決定に影響しやすいのが、

  • キャリア・研修

  • 社風・働く仲間

  • 待遇・福利厚生

  • 選考・Q&A

です。たとえば福利厚生も、制度名を一覧で並べるだけでは、実際の働きやすさは伝わりません。「どのような社員が利用しているのか」「その制度によってどんな働き方ができるのか」といった実態まで示すことで、入社後のイメージにつながります。

「共感→興味→理解→納得→行動」の順に並べる

9項目をそろえても、単に順番に並べるだけでは印象に残りにくくなります。候補者の心理に合わせて、情報の順番を設計しましょう。

おすすめは、「共感→興味→理解→納得→行動」の流れです。

最初に企業理念や目指す世界で「共感」をつくり、次に事業や市場の面白さで「興味」を持ってもらいます。

そのあと仕事内容やチームについて説明して「理解」を深め、キャリアやカルチャー、待遇によって「納得」につなげます。最後に募集要項と選考フローを示せば、応募・選考という「行動」へ自然につなげられます。

会社側が説明したい順番ではなく、「候補者が次に何を知りたくなるか」から逆算することがポイントです。

会社説明会資料にも活かせる!採用ピッチ資料100社調査から見る2026年の最新傾向

会社説明会資料と採用ピッチ資料は使われる場面が異なりますが、「候補者に何を伝えるか」という情報設計には共通する部分があります。そこで参考にしたいのが、採用ピッチ資料で近年どのような情報が増え、何が減っているのかという変化です。 

ここでは、トラックレコードが実施した採用ピッチ資料100社調査から、2026年の最新傾向を解説します。

平均44.1ページで枚数は横ばい

2026年の採用ピッチ資料は、平均44.1ページでした。2024年の44ページからほぼ変わっていません。

つまり、資料そのものが年々長文化しているわけではありません。限られたページの中で、「何を載せるか」が変わっている点に注目する必要があります。

会社説明会資料でも、情報を追加し続けるのではなく、候補者の判断に必要な情報へ入れ替えていく視点が重要です。2024年から2026年にかけて増えたのは、候補者が入社後の日常を想像しやすい情報です。

なかでも「イベント」は、掲載企業が21社から40社へと大きく増えました。社内交流会やカンファレンス参加など、実際にどのような活動が行われているかを具体的に見せる企業が増えています。

単に「社員同士の仲が良い」「風通しが良い」と伝えるのではなく、実際の取り組みを見せることで、会社の雰囲気を伝える方向へ変化しているといえるでしょう。

出典:トラックレコード株式会社「採用ピッチ100社調査 2026年」

減ったのはルールの説明

一方で、2024年から2026年にかけて減少したのが、働き方に関する細かなルールや勤務体系の説明です。

これは、候補者が働き方を重視しなくなったという意味ではありません。

勤務時間や出社頻度、制度の利用条件といった情報は求人票や募集要項でも確認できるため、採用ピッチ資料では「条件そのもの」よりも、その会社で実際にどのように働くのか、どんな会社なのかを伝える情報に比重が移っていると考えられます。

会社説明会資料と採用ピッチ資料は使われる場面こそ異なりますが、候補者に何を伝えるかを考えるうえでは共通する部分も多くあります。 トラックレコードが行った「採用ピッチ100社調査 2026年」では、候補者に伝える情報がこの2年間でどのように変わったのかを調査しました。

どの項目が増え、何が減ったのか。会社説明会資料の掲載内容を見直す際にも参考になる最新傾向を、調査レポートで詳しく紹介しています。

新卒と中途で変えるべき会社説明資料の内容

会社説明会資料の基本構成は共通でも、新卒と中途では情報の優先順位を変える必要があります。

ここでは、それぞれの候補者に向けて、特に重点を置きたい項目を紹介します。

新卒は透明性と共感を重視する

新卒向けでは、企業理念と社風、育成環境の記述を厚くします。
社会人経験がないぶん、仕事内容の詳細よりも「どんな人と、どんな考え方で働くのか」が判断の中心になるためです。

事業の仕組みをわかりやすく説明することに加え、

  • どんな人が働いているのか

  • 入社後どのように仕事を覚えるのか

  • 数年後にどんなキャリアを描けるのか

まで示すと、働く姿を想像しやすくなります。

また、良い面だけを並べるより、実際の働き方や会社の現在地まで具体的に伝えたほうが、候補者自身が自分との相性を判断しやすくなります。

詳しくは、は新卒向け会社紹介資料の作り方ガイドでも解説しているのでぜひご覧ください。

中途は事業の優位性と裁量を見る

中途向けでは、事業の優位性と仕事の裁量を前に出します。
他社での経験がある候補者は、業界の一般論より「この会社でしかできないこと」を知りたいためです。

具体的に書きたいのは、次の3点です。

  • 競合と比べた立ち位置

  • 直近で動いているプロジェクト

  • 入社後に任される意思決定の範囲

組織図のなかで募集ポジションがどこに入るかを添えると、裁量の大きさがより伝わります。待遇も、給与レンジとあわせて数年後のモデル年収を示すと判断してもらいやすくなります。

会社説明会資料づくりの参考にしたい!採用ピッチの事例

ここからは、トラックレコードが採用支援を行った企業の採用ピッチ・会社紹介資料を紹介します。

いずれも会社説明会専用の資料ではありませんが、事業やカルチャーをどう整理し、候補者に伝えるかという点は、会社説明会資料を作る際にも参考になります。 

株式会社アルダグラム|市場から未来までを一つのストーリーで伝える

出典:株式会社アルダグラム「エンジニア向け会社説明資料」

株式会社アルダグラム様は、建設・不動産などの現場業務を支援する現場DXサービス「KANNA」を提供しています。

支援背景:
採用を再開するなかで、シニア層を含む候補者に事業の魅力や今後の可能性をより伝えていくことがテーマとなっていました。トラックレコードでは、採用ポジショニングの整理から採用ピッチ資料の刷新まで支援しました。

資料のポイント:
公開資料は「Company→Market→Product→Future→Culture→Joblist」という流れで構成されています。会社やサービスの紹介だけで終わらず、市場が抱える課題、プロダクトが提供する価値、今後目指す未来を伝えたうえで、カルチャーや募集職種へつなげています。

特に中途採用では、「何をしている会社なのか」に加えて、なぜこの市場に取り組み、これから何を目指すのかまで示すことで、候補者が入社する意味を考えやすくなります。

詳しくは事例インタビューをご覧ください。
「穴の開いたバケツに水を入れていた」状態から脱却。シニア層への魅力訴求を劇的に変えたアルダグラムの採用ピッチ資料刷新プロジェクト

株式会社マンガボックス|自社らしさを具体的な言葉と実績で伝える

出典:株式会社マンガボックス「会社概要資料」

株式会社マンガボックス様は、マンガを中心としたコンテンツ事業を展開しています。

支援背景:
事業の方向性を見直すタイミングで、事業の現在地や今後目指す姿を、採用候補者にも一貫して伝えていくことがテーマとなっていました。トラックレコードでは、コーポレートリブランディングと採用ブランディングを支援しました。

資料のポイント:
公開されている会社概要資料では、会社やメンバーの紹介に加えて、協業実績や作品実績、採用情報まで掲載しています。会社の特徴を抽象的な言葉だけで説明するのではなく、実際の事業や成果を見せながら「どのような会社なのか」を伝えている点が特徴です。

会社説明会資料でも、「風通しが良い」「挑戦できる」といった言葉だけでは、自社ならではの特徴は伝わりにくくなります。具体的な取り組みや事業実績、社員の行動など、事実とセットで示すことが、自社らしさを伝えるポイントです。

詳しくは事例インタビューをご覧ください。
マンガアプリの会社から電子出版社へ—マンガボックスのコーポレートリブランディング | 採用ブランディングにとどまらないトラックレコードの支援とは

トラックレコードでは、採用ピッチ資料を「きれいに作る」だけではなく、誰を採用したいのか、その候補者に何をどう伝えるべきかという採用戦略の整理から支援しています。

採用ターゲットや自社の魅力を言語化したうえで、採用ピッチ資料、採用サイト、採用広報、スカウトなど各施策へ一貫したメッセージを展開できるのが特徴です。

「会社説明会資料を見直したいが、何を載せるべきかわからない」「自社の魅力が候補者にうまく伝わっていない」と感じている場合は、資料だけでなく採用全体の設計からご相談いただけます。

会社説明会資料でやりがちな失敗と対策

会社説明会資料は、情報を増やせばよくなるわけではありません。

ここでは、会社説明会資料でよくある3つの失敗と対策を解説します。

情報を詰め込みすぎる

説明したい情報が増えるほど、一枚のスライドに文章や数字を詰め込みたくなります。しかし、情報量が多すぎると、候補者は「どこを見ればいいのか」がわからなくなります。

基本は「1スライド1メッセージ」です。会社説明会ですべてを説明しきろうとせず、詳しい社員インタビューや制度情報は採用サイトへ誘導するなど、情報の役割を分けましょう。

また、色数も情報量なので、ベース・メイン・アクセントの3色までに抑えましょう。

良い話だけで嘘っぽくなる

「成長できる」「風通しが良い」「若手が活躍している」といったポジティブな言葉だけが続くと、かえって企業の実態が見えにくくなります。候補者は口コミサイトやSNSでも情報を集めているためです。

対策は、これから整えていく点を1枚だけ入れることです。課題を開示すると応募が減ると思われがちですが、実際には自社と合う候補者が残りやすくなります。

作ったまま更新されない

会社説明会資料は、一度完成すると更新が後回しになりがちです。しかし、社員数、事業実績、組織図、制度、募集職種などは継続的に変わります。

更新されていない数字が残っていると、候補者から見た資料の信頼性にも影響します。「半年に一度見直す」「採用計画を更新するときに合わせて修正する」など、あらかじめ運用ルールを決めておきましょう。

会社説明会資料に関するよくある質問

会社説明会資料を作る過程でさまざまな疑問がでてくるものです。
ここでは、採用担当者からよく寄せられる3つの質問にお答えします。

会社説明会資料は何ページが適切ですか?

会社説明会資料のページ数に決まった正解はありません。説明時間から逆算し、1枚あたり1分前後を目安にすると、40分の説明会なら40枚前後が一つの目安です。

ただし、オンライン説明会では1枚あたりの情報量を減らして枚数を増やしたり、短時間の合同説明会では重要な内容だけに絞ったりする必要があります。ページ数そのものより、候補者に必要な情報を説明時間内で無理なく伝えられるかを基準にしましょう。

説明会用資料と公開用の採用ピッチ資料は分けるべきですか?

完全に別々に作る必要はありません。会社概要、事業、カルチャーなどは共通化し、説明会用だけ当日の進行や参加者向け情報を加える方法がおすすめです。

説明会用は口頭で補える前提で文字を削り、図と写真を増やしましょう。公開用は一人で読む前提なので、話し手が補っていた説明を文章として書き足しましょう。

デザインの知識がなくても見やすい資料は作れますか?

作れます。専門的な技術よりも、3つのルールを守るかどうかで見やすさは決まります。

  1. 1枚のメッセージを1つに絞る

  2. 使う色を3色までにする

  3. 文字を図や写真に置き換える

あわせて会場の後方から読める文字サイズにし、テキストを画面の上から7割程度に収めると、前の人の頭で隠れる問題も避けられます。

会社説明会資料は入社後のリアルまで伝え、志望度の高い応募者を集めよう

会社説明会資料は、9つの基本項目をそろえ、候補者が「共感→興味→理解→納得→行動」と進める順番に情報を整理することが基本です。

さらに、100社の採用ピッチ資料を調査すると、単純に情報量を増やすのではなく、細かな条件やルールの説明を抑え、入社後の働き方や会社の雰囲気が伝わる情報を充実させる傾向が見えてきました。

トラックレコードでは、採用戦略の設計から採用ピッチ資料・採用サイトの制作、採用活動の実行支援まで一貫してご支援しています。「今の資料に何が足りないのかわからない」という段階からでもご相談いただけます。

まずは、他社がどのような情報を載せているのかを参考にしながら、自社の会社説明会資料を見直してみてはいかがでしょうか。

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