エンジニア採用代行(RPO)とは?選び方と1年で26名採用の事例を解説

スカウトを送っても返信が来ない、面談で技術についての話がかみ合わない。
エンジニア採用で、こうした課題感をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。
とはいえ、社内で技術にも明るい採用担当者を育てるのは簡単ではありません。

そんなときに選択肢に挙がるのが、エンジニア採用に特化した「採用代行(RPO)」です。

この記事では、エンジニアの採用代行の特徴から、失敗しない代行企業の選び方・成功事例までをまとめて解説します。

エンジニア採用代行(RPO)とは?一般的な採用代行との違い

「採用代行」と聞くと、応募者への連絡や日程調整といった事務作業を外注するイメージを持つ方が多いかもしれません。

ここでは、エンジニア採用代行(RPO)の定義と任せられる業務範囲、そして人材紹介・求人広告との違いを解説します。

エンジニア特化の採用代行(RPO)とは

エンジニア採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing)とは、エンジニア採用のプロセス全体、または一部を外部の専門パートナーに任せる採用手法のことです。

一般的な採用代行との大きな違いは、担当者がエンジニア職をどこまで深く理解しているかにあります。エンジニア採用では、求める技術スタックや開発体制、候補者が魅力を感じるポイントが職種によって細かく変わります。

これらを理解せずに作業だけを代行しても、スカウトの反応は得にくく、面接でも会話がかみ合いません。エンジニア特化の代行には、こうした技術への理解をもとに採用活動を設計・運用できる強みがあります。

採用代行(RPO)に任せられる業務

任せられる業務は、スカウト送付のような実務から、採用戦略の設計まで幅広く及びます。

ここで押さえておきたいのが、代行会社によって「どこまで踏み込むか」が大きく違うという点です
契約で決めた作業だけをこなすタイプもあれば、「そもそも何をやるべきか」を一緒に考え、自社の採用マネージャーに近い立場で伴走するタイプもあります。この業務範囲の違いは、後ほど詳しく見ていきます。

人材紹介・求人広告との違い

エンジニア採用代行と人材紹介・求人広告の大きな違いは、「採用活動そのものの設計・運用を任せられるか」という点です。人材紹介は候補者を紹介してくれる、求人広告は応募を集めてくれるのに対し、採用代行は採用の進め方ごと任せられます。

手法

役割

費用の考え方

向いている状況

エンジニア採用代行(RPO)

採用プロセスの設計・運用を代行

月額・プロジェクト型が中心

採用の仕組みごと立て直したい

人材紹介

条件に合う候補者を紹介

成功報酬(一般に理論年収の30〜35%程度とされます)

欠員を単発で埋めたい

求人広告

募集を掲載し応募を集める

掲載課金

応募の母数を増やしたい

いずれかが優れているのではなく、目的によって役割が異なります。「欠員が出たから一人採りたい」なら人材紹介、「エンジニア採用そのものが回っていない」なら採用代行、というように使い分けることが大切です。

自社だけのエンジニア採用が難しい理由

採用活動に力を入れているにもかかわらず、エンジニアだけは応募が集まらない、採用につながらないと悩む企業は少なくありません。

ここでは、エンジニア採用を自社だけで進めるのが難しい2つの理由を解説します。

エンジニアは特に採用競争が激しい職種

エンジニアは、全職種のなかでも特に採用競争が激しい職種です。

doda(2026年6月)の調査によると、全職種の転職求人倍率が2.44倍であるのに対し、IT人材の求人倍率は11倍にのぼります。この数字からも、エンジニアをめぐる採用競争の激しさがわかります。

一人の候補者に複数の企業がアプローチする状況では、求人を出して応募を待つだけでは、十分な候補者を集めることができません。企業側から積極的にスカウトを行うとともに、候補者に選ばれるための魅力を整理し、わかりやすく伝えることが求められます。

技術への理解がなければ、スカウトの返信につながりにくい

エンジニア採用では、候補者の技術や経験を十分に理解しないままスカウトを送っても、返信につながりにくいのが実情です。

定型的な文面や、本人のスキルと募集ポジションが合っていない内容は候補者に響かず、返信につながりにくくなります。 特に、豊富な経験を持つハイクラス人材ほど、企業から多くのスカウトを受け取っているため、一人ひとりに合わせたメッセージが欠かせません。

エンジニア採用のなかでも、CTOやテックリードといったハイクラス層ほど、スカウトの返信率は大きく下がります。

経験の浅い層では8%程度であるのに対し、役員クラスでは1%を下回るともいわれています。そのため、「返信が来ない」と一括りにせず、採用したい層に合わせてアプローチを変えることが重要です。

出典:トラックレコード株式会社「トラックレコードのRPOが ハイクラス採用 に強い理由」

失敗しないエンジニア採用代行の選び方

採用代行はどこも同じように見えて、選ぶのが難しいと感じる採用担当者もいらっしゃるかもしれません。しかし一社ごとに、任せられる範囲もエンジニア採用の理解度も大きく違います。

ここでは、失敗しないエンジニア採用代行を選ぶための3つの軸を解説します。

軸1:現場と会話できる技術理解度があるか

最初に確認すべきは、担当者が現場のエンジニアと具体的な技術の話ができるだけの理解を持っているかです。

技術要件を正しく読み解けなければ、スカウトのターゲット設定も、候補者の見極めも精度が上がりません。だからこそ、商談の段階で技術理解を測っておくことが大切です。

質問例

  • 「うちの技術スタックだと、どんな経歴の人がターゲットになりますか?」

  • 「この求人票の"必須"と"歓迎"の切り分けは、妥当だと思いますか?」

  • 「スカウト文で、うちの開発の技術的な面白さをどう表現しますか?」

見極めポイント(プラス):

  • 自社の技術・事業に踏み込んだ具体で答えてくれる

  • 要件の核心を突く質問を返してくる

  • 専門用語を正確に使う

 

見極めポイント(マイナス):

  • 「優秀な方を集めます」といった一般論で終始話す

  • 技術的な意味を確認しないまま、作業の段取りの話に進む

軸2:特化型・総合型・スポット型のどれが合うか

エンジニア採用代行は、大きく特化型・総合型・スポット型の3つに分けられます。料金の考え方も型によって異なるため、自社の状況に合うものを選ぶことが大切です。

型

特徴

料金・課金形態の傾向

向いている企業

特化型(エンジニア特化)

技術理解が深く、要件定義から任せやすい

月額・プロジェクト型が中心

技術職の採用を継続的に強化したい

総合型(全職種対応)

職種を横断して幅広く対応

月額・従量課金など

複数職種をまとめて任せたい

スポット型

スカウト代行など一部業務のみ

業務単位・成功報酬

特定の業務だけを補いたい

料金体系は主に、月額固定・プロジェクト型・成功報酬型に分かれます。
見積もりは「何に・いくら」で分解してもらい、"一式いくら"のまま契約しないことが大切です。費用の安さだけでなく、「その費用で何をどこまで任せられるのか」まで含めて比較しましょう。

軸3:採用ブランディングまで一貫支援できるか

見落とされがちですが、スカウトや面接だけでなく、採用ブランディングまで一貫して支援できるかも重要な軸です。

エンジニアは、企業の技術的な魅力や開発文化を慎重に見極めています。どれだけスカウトを工夫しても、「どのような技術を使い、どんな開発の面白さがある会社か」が伝わらなければ、応募にはつながりません。だからこそ、スカウトや選考など応募につなげる施策と、発信によって認知や魅力を高めるブランディングは、あわせて設計することが重要です。

質問例

  • 「採用サイトやピッチ資料、技術発信(テックブログ・登壇)まで支援できますか?」

  • 「スカウト施策とブランディングを、どうつなげて設計しますか?」

見極めポイント(プラス):

  • 制作物・メディア運営・イベントの実績を具体的に見せられる

  • スカウトや選考など応募につなげる施策と、情報発信までを一連の流れで説明できる

見極めポイント(マイナス):

  • ブランディングを別料金メニューとして提示するだけで、スカウトとの連携を説明できない

採用成果を高めるには、スカウトや面接だけでなく、母集団形成からオファーまでを一つのサイクルとして設計し、結果をもとに改善し続けることが重要です。 

エンジニア採用のなかでも、特に難易度が高いのがCTO・VPoEクラスのハイクラス採用です。
経験を積んだ層ほどスカウトは届きにくく、通常のエンジニア採用と同じ進め方では成果につながりにくくなります。

トラックレコードは、高度デジタル人材に特化し、採用戦略やターゲット設計から、採用サイト・ピッチ資料・技術発信、スカウト・選考の運用までを一気通貫で支援します。戦略の策定だけでなく実行と改善まで伴走する点が強みです。

実際、株式会社MonotaRO様の事例では、ハイクラス人材の母集団形成と採用体制の構築が課題でした。採用資料・サイト・技術ブログの制作から、イベント、ダイレクトリクルーティングまで支援し、ハイクラス人材の内定700%アップを実現しました。

この「ハイクラス採用に強い理由」を4つの視点でまとめた資料もご用意しています。
難易度の高い採用ほど、パートナー選びが成果を左右します。RPO選定の比較材料としてぜひご活用ください。 

導入前に押さえる失敗パターンと対策

採用代行を導入すれば成果が出ると考えていると、期待した効果を得られないことがあります。

とはいえ、つまずくポイントはある程度決まっています。よくある失敗を先に知っておけば、事前に手を打って、導入効果を最大化できます。 

ここでは、導入前に押さえておきたい失敗パターンと、その対策を解説します。

ありがちな3つの失敗

エンジニア採用代行でよくある失敗は、大きく3つに分けられます。

  1. 丸投げ
    すべてを任せきりにして自社が関与しなくなると、現場ならではの魅力や採用要件が十分に伝わらず、認識のずれが広がります。

  2. 技術ミスマッチ
    技術を理解していない代行に任せた結果、要件とずれた候補者ばかりが集まるケースです。

  3. 候補者対応の遅れ
    候補者への返信や社内の意思決定が遅れると、売り手市場では候補者が他社への入社を決めてしまいます

失敗を防ぐ運用ルール

失敗を防ぐカギは、代行会社との役割分担や連携方法をあらかじめ決めておくことです。

具体的には、次のような運用ルールを最初にすり合わせておくと安心です。

  1. 定例ミーティングの頻度とKPIを決め、進捗と改善策を毎回確認する

  2. 技術要件は現場のエンジニアも交えて言語化し、代行会社と認識をそろえる

  3. 候補者への返信や合否連絡の期限を決め、迅速に対応できる体制を整える

すべてを任せきりにするのではなく、役割を分担しながら連携できる関係を築けるかどうかが、成果を大きく左右します。

エンジニア採用代行の支援事例

ここまで選び方や注意点を見てきましたが、実際の支援内容は、具体的な事例を見るとイメージしやすくなります。

ここでは、エンジニア採用に強みをもつトラックレコードが支援した2社の事例を紹介します。

カイテク|1年間で複数職種26名を採用した事例

背景

カイテク株式会社様では、事業の成長に伴い、複数職種の採用を安定して進めるための戦略と運用体制の整備が必要となっていました。

取り組み

トラックレコードは、採用戦略の策定をはじめ、媒体選定、ターゲット・ペルソナの見直し、エージェントの活用と継続的なマネジメントまで伴走しました。

成果

支援開始から1年間で、複数職種26名の採用を実現しました。採用業務の代行にとどまらず、採用戦略の設計から実行まで一貫して支援した事例です。

詳細はカイテクの事例インタビュー記事をご覧ください。

クラシル|2026年卒エンジニア10名の採用目標を達成した事例

背景

レシピ動画プラットフォーム「クラシル」などを運営するクラシル株式会社様(旧:dely株式会社)は、3年ぶりに新卒エンジニア採用を再開しました。過去の採用経験を踏まえ、候補者とのマッチングや、内定後のフォロー・オンボーディング体制を見直す必要がありました。

取り組み

トラックレコードは、ターゲット層の見直し、インターンプログラムの再設計、内定後のオンボーディング強化、メンタリング制度の刷新を支援。さらに、複数媒体でのスカウト運用やKPI設計など、戦略から採用実務まで一貫して伴走しました。

成果

サマーインターンの段階で2023年卒採用時の内定数を上回り、最終的に2026年卒エンジニア10名の採用目標を達成しました。通過率や歩留まりなどのKPIも、計画どおりに推移しています。

詳細はクラシルの事例インタビュー記事をご覧ください。

これら2社に共通するのは、技術を理解したパートナーと二人三脚で採用を進めたことです。自社のエンジニア採用に当てはめて相談したい方は、無料相談・お見積もりをご利用ください。 

エンジニア採用代行に関するよくある質問

最後に、エンジニア採用代行を検討するときによく寄せられる質問にお答えします。

契約前に不安になりやすいポイントを中心にまとめました。導入イメージを固める参考にしてください。

エンジニア採用代行は法的に問題ありませんか?

適切な手続きを踏めば問題ありません。
ただし、代行会社が自社に代わって候補者を「募集」する形態は、職業安定法上の「委託募集」に該当する場合があり、その際は所定の許可または届出が必要になります。

契約前に、募集の進め方や法的な位置づけに加え、必要な許可・届出の有無を代行会社へ確認しておくと安心です。

契約から稼働までどのくらいかかりますか?

一般的には、数週間程度で稼働を開始するケースが多いです。
契約後は、募集背景や採用要件のヒアリング、ターゲットの整理、媒体やATSの準備、運用体制の構築といった立ち上げを行ってから本格稼働へ進みます。

要件が固まっているほど立ち上げは早くなるため、事前に「どのポジションを、いつまでに、何名」採りたいのかを整理しておくとスムーズです。

自社に技術がわかる人がいなくても任せられますか?

任せられます。むしろ、社内に技術のわかる採用担当がいないからこそ、技術理解のあるパートナーを選ぶ価値があります。
技術スクリーニングや要件の言語化をパートナーが担うことで、専門知識がない状態でもミスマッチの少ない採用が進められます。ただし丸投げは禁物で、現場のエンジニアが要件のすり合わせに関わる体制は残しておくことをおすすめします。

技術がわかるパートナーと組み、エンジニア採用を成功させよう

エンジニア採用は、全職種のなかでも特に採用競争が激しく、難易度の高い採用です。
だからこそ、事務作業を代行するだけの会社ではなく、技術を理解し、戦略から採用ブランディングまで伴走してくれるパートナーを選べるかが成果を左右します。選び方の3つの軸と失敗パターンを押さえたうえで検討を進めてみてください。

トラックレコードは、デジタル人材に特化した伴走型のRPOパートナーとして、数多くのハイクラスエンジニア採用を支援してきました。「ハイクラス採用に強い理由」を4つの視点でまとめた資料もご用意しています。
自社に合うパートナーを見極めるための情報収集として、ぜひ資料をご活用ください。

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