2025年3月13日

事例インタビュー

同じ景色を見ながら、プロ視点で背中を押す ー delyがトラックレコードと築いた、勝てる新卒採用モデル

会社名:クラシル株式会社(旧:dely株式会社)
業種:情報通信
従業員数:207名 (2024年12⽉時点)
コーポレートサイト: https://dely.jp/
支援時期:2024年3月〜継続中

トラックレコードは、2024年3月から、dely株式会社(以下、dely)の2026年卒エンジニア新卒採用の支援を行っています。delyにとって3年ぶりの新卒採用は、結果として当初の目標であった内定承諾数も達成し、成功だったと語ります。

トラックレコードをパートナーに選んだ理由、活動の中で感じた価値、delyの新卒採用の今後の展望…などを、執行役員/CTO・大竹雅登様と人材開発室・横山嶺様にお伺いしました。

delyがエンジニア新卒採用を行う理由

delyは、「Be the Sun 太陽のように熱い情熱を燃やし、世界に大きなインパクトを与える存在になる」というビジョンのもと、レシピ動画プラットフォーム「クラシル」、お買い物サポートアプリ「クラシルリワード」などを運営しています。同社の成長を支えているのは、事業を牽引する人材の存在です。delyはなぜエンジニア新卒採用に取り組むのでしょうか。その背景についてお話を伺いました。

【出典】2025年3⽉期 第3四半期決算説明資料

大竹様:

弊社では、10年単位で会社をつくっていくうえで、ビジョン・ミッション・バリュー・プリンシプルズを非常に重要視しています。もちろん、中途採用でもこれらを大切にしていますが、やはり新卒として弊社に入社してくださった方のほうが、文化や価値観の浸透率が相対的に高いと感じます。
安定的に、かつ毎年delyのカルチャーにフィットする方を採用し続けることができれば、5年スパンで見たときに、育成も含めて非常に自力のある会社になれるだろうと考えたことが、新卒採用に踏み切った大きな理由です。
加えて、中途採用市場では年々競争が激化し、求人倍率も上昇しています。一方で、新卒採用市場は、一斉に同じタイミングで多くの学生が就職活動を行う特徴があります。そのため、「新卒市場においても、きちんと自社の魅力をアピールできる体制を整えておくべきではないか」という議論は、2017年という比較的早い段階から社内で行われていました。

大竹 雅登
dely株式会社 執行役員/CTO 
2014年、慶應義塾大学在学中にdely株式会社を共同創業。2016年に当時唯一のエンジニアとしてレシピ動画サービス「クラシル」を開発し、クラシルを日本最大のレシピ動画サービスに成長させる。2018年から4年間責任者として新規事業の立ち上げを行い、2023年2月より現職。

delyのエンジニア新卒採用の歴史

大竹様:

弊社で最初に新卒社員が入社したのは、2019年卒のタイミングです。ただし、当時の採用は、Wantedly(ウォンテッドリー)などでアルバイト求人を出したところ、熱意のある学生が応募してきて、そのまま新卒社員として入社いただいた、という偶然性に頼った採用でした。
本格的に新卒採用活動に取り組み始めたのは2022年卒からです。この年は、デザイナー3名、エンジニア7名の計10名を採用しました。
翌2023年卒では、何かしらのサービス開発経験がある学生10名がインターンに参加してくれましたが、最終的に入社に至ったのは2名(一般選考経由で1名)でした。2024年卒、2025年卒については、事業環境や受け入れ体制を総合的に判断し、エンジニア職の新卒採用を一時見送る決定をしています。

2022年卒エンジニア新卒採用で見えた課題

delyが本格的に新卒採用に取り組み始めた2022年卒では、結果としてエンジニア7名を採用しました。当時としては比較的多い人数であり、会社としても「新卒採用の手ごたえ」を感じたといいます。その後、「採用後に活躍し続けてもらうための課題」に取り組むことになったそうです。

大竹様:

2022年卒の新卒採用における最大の課題は、「採用後のオンボーディング」です。事業フェーズ/開発メンバーの特性と、内定者とのマッチング精度を上げることで、より早期の活躍促進ができるなと感じました。バックグラウンドや個性が違う新卒メンバー全員に、きちんと活躍できるよう環境を整えていく必要があるということです。そこで、採用プロセスやオンボーディング、独り立ちまでのフローを見直し、しっかりと整備していくことにしました。

横山様:

2022年卒の採用は、正直「やってみたら思った以上に多く採用できてしまった」という感覚が強いです。採用活動そのものは成功したと言えますが、その後の育成やフォロー体制がまだ十分ではなく、その点が転職率の高さにつながったのではないかと振り返っています。

横山 嶺
dely株式会社 (人材開発室・リクルーター)
大学院卒業後に不動産業界、領域特化型人材事業を行う企業での営業・採用経験を経て、2021年10月dely入社。主に新卒・中途エンジニアの採用を担当。2025年1月よりチームリーダーとして中途ビジネス職採用も推進中。

2026年卒エンジニア新卒採用について

2026年卒採用において、delyはエンジニア職を中心に10名の採用を目指しました。これまでの採用活動で見えた課題を踏まえ、ターゲット層の見直し、インターンやオンボーディング強化、メンタリング体制の刷新といった施策を実施。狙いを、安定的にカルチャーにもフィットするエンジニア人材を採用・育成し、中長期的な開発組織の強化につなげることとしました。

目標

大竹様:

delyでは、2026年卒採用においてエンジニア職を中心に10名の採用を目指しました。現在、開発メンバーはおよそ50名ほど在籍していますが、日本国内のメガベンチャー各社の成長過程を見ても、100名、200名規模に拡大していくためには、中途採用だけでそこまでの規模に達するのは難しいと考えています。
とはいえ、初年度から30名といった大規模な採用を実現するのは現実的ではありません。そこで、会社として責任を持って育成できる人数規模などを考慮して10名程度を採用目標に設定しました。

具体的に何をやったのか?どんな工夫をしたのか?

横山様:

2022年卒、2023年卒採用で見えてきた課題を踏まえ、2026年卒採用では主に4つの施策を実施しました。

  1. ターゲット層の見直し

  2. インターンプログラムの見直し

  3. 内定後のオンボーディング強化

  4. メンタリング体制の刷新

まず、ターゲット層の見直しです。2023年卒採用では、学生時代からすでにエンジニアとしてのサービス開発経験を積んでいる層にターゲットを絞り込んでいました。しかし、その結果、十分な人数を確保することが難しかったため、2026年卒では「プログラミングの勉強をしたことがあり開発にも興味はあるが、本格的なサービス開発経験はない」というポテンシャル層にも幅広くアプローチし、1人でも多くの学生と会うことを目指しました。

次に、インターンプログラムの見直しです。2022年、2023年の採用時は、いわゆる「就業型インターン」が中心でした。2週間以上の期間で、実際に業務を経験してもらうシンプルな設計でした。しかし、現在のdelyを取り巻く環境や、競合他社の動向を踏まえたときに、「ただ仕事をしてもらうだけで良いのか」と疑問を感じるようになりました。もっと工夫の余地があるのではないか、という思いから、インターンプログラムの質向上にも力を入れました。

2026年卒・夏インターン募集サイト

横山様:

内定後のオンボーディング強化にも取り組みました。具体的には、内定者インターンを積極的に推奨し、内定者が早期から業務に携わる機会を設けました。この内定者インターンでは、業務経験に加えて、delyのビジョン・ミッション・バリューについても、社員と同じように共有し、「私たちはこういう価値観を重視し、こういう観点で評価をしています」ということを、1on1などを通してしっかりと伝えています。

最後に、メンタリング制度の刷新です。新卒社員が配属後にしっかりとフォローを受けられる体制を整えました。特に、配属先については、まずは既存事業に配属し、一定のスキル習得後に新規事業に異動するフローに見直しました。これにより、新卒社員が安定した環境で基礎を固めた上で、次の挑戦に進めるようにしました。

私自身、中途採用をメインに担当してきた経験からdelyに入社したため、新卒採用については正直、知見が不足していました。そのため、「最初の設計でミスをするとすべてが台無しになる」と強く感じていました。このような状況だからこそ、外部のプロフェッショナルから信頼できる知見を得た上で、自分自身も納得感を持って進めていく必要があると考えました。

新卒採用支援会社の選定基準とトラックレコードを選んだ理由

delyは、2026年卒エンジニア新卒採用において、採用プロセス全体の設計からオペレーションの実施までを支援してくれるパートナーが必要でした。どのような基準で選定したのでしょうか。

横山様:

決定に至った理由はいくつかあります。まず1点目は、過去に中途採用支援でお世話になった際に、非常に良い成果が出ていたことです。そのときに「delyはこういう会社だ」と理解してくださっていたので、「こちらのことを分かってくれている」という安心感がありました。今回の相談時も、中途採用を担当してくれたコンサルタントの方が提案・契約時に同席していただいたことで、「しっかり伴走してもらえる」という信頼感につながっていました。実績面でも結果を出してくださっていたので、自然と「またお願いしたい」と思いました。

もちろん、中途採用と新卒採用では異なる点もあるとは考えていましたが、「トラックレコードさんであれば同じように進められるだろう」と感じていました。また、ご提案いただいた内容も的を射ており、「これならうまくいきそうだ」と直感的に思えた点も大きかったです。

横山様:

さらにもう1点、特に決め手になったのは、「柔軟に対応してくれそうだ」という印象を強く持ったことです。他社にも見積もりを依頼し、ヒアリングを行いましたが、率直に「やや不安が残る」と感じる場面もありました。その中で御社は「こちらの状況に寄り添って柔軟に対応してくれるだろう」と感じました。

具体的には、私は特にオペレーション部分に不安を抱いていました。1人で新卒採用と中途採用の両方を担当していたため、新卒採用に十分時間を割きたい気持ちはありつつも、最終的な内定承諾フェーズに入ると中途採用側でも時間を取られる場面が多くなります。そのため、「新卒採用のオペレーションを安定して回せる体制を整えられる会社」にお願いする必要があると感じていました。

その点、他社は戦略設計後のオペレーション業務が「オプション扱い」となるケースが多かったのです。「スカウト送付を依頼すると追加料金」「こういう対応を希望すると別料金」という仕組みになっており、柔軟にサポートを受けられるのか不安が残りました。「果たしてこれで最後まで軌道に乗せられるのか」という疑問が拭えず、最終的に安心感を持てるトラックレコードさんにお願いすることにしました。

大竹様:

私はシンプルに、「一度ご一緒していた経験があったこと」が大きかったです。トラックレコードさんのことを既に知っていましたし、「どういう会社で、どんな進め方をしてくれるのか」というイメージが持てていたので、そこに安心感がありました。他社とも比較検討はしましたが、やはり一度一緒にやってきた経験は、選定において大きな後押しとなりました。

トラックレコードの新卒採用支援の具体的な支援内容について

2026年卒エンジニア新卒採用では、ペルソナ設計の見直しから採用オペレーション全体をトラックレコードが支援しています。ターゲット層の精度を高めたことで、候補者の母集団形成につながったほか、選考プロセスを円滑に回す体制も万全な状態を組むことができました。特に、現場と並走しながらタイムリーに改善を重ねていくサポートがあったからこそ、採用成果につながったと語ります。

支援を受けて感じたトラックレコードの価値

横山様:

私はやはり、最初の戦略設計と、後半のオペレーション運用の両面で大きな価値を感じました。

戦略設計については、私たちには新卒採用の知見が十分ではなく、もし自分たちだけで取り組んでいたら、「なんとなくこうかな」と手探りで進めるしかなかったと思います。

トラックレコード・代表の野崎さんに時間を取っていただき、壁打ちをしながら思考を整理してもらえたことが非常に助けになりました。「delyはこういう強みがあるので、学生に会った際にはこの部分をしっかり伝えましょう」といった形で、私たちが漠然と考えていたことを言語化し、明確にしてもらえたんです。その結果、リクルーターとしても、学生にどのようなメッセージを伝えればよいのかがよりクリアになりました。

トラックレコードが提案したポジショニング設計資料

横山様:

次に、オペレーション部分でも非常に力を貸していただきました。例えば、インターン本選考ともに、複数の新卒採用媒体でスカウト運用をしていましたが、各媒体の対応がしっかり回っていたのは、大きな安心材料でした。もし、リクルーターである私一人で担っていたら、膨大な負荷になっていたと思います。

トラックレコードさんには目標数値(KPI)の設定も行っていただきましたが、基本的にその目標は問題なく達成されていました。戦略時に決めたターゲット層に合致する学生たちと安定して会い続けることができたと感じています。インターン選考から本選考への移行もスムーズで、最終的に「蓋を開けてみたら人数が足りない」といったことは一切なく、着実に参加者を確保できました。
この部分については、他の会社にお願いしてもここまでうまくいったかは分かりません。それほどまでに、トラックレコードさんには助けていただきました。

大竹様:

基本的なことではありますが、状況確認や進捗のトラッキングを丁寧に行っていただいたことは、プロジェクトをブレずに進める上で非常に重要だったと感じています。「今、順調に進んでいる」と常に安心して見守ることができました。


トラックレコードのプロジェクト推進時の姿勢

大竹様:

やはり「チームdelyの一員」というスタンスを感じられた点が、非常に良かったと感じています。「その予算なのですね、ではその範囲内で対応します」というような受け身の姿勢ではなく、「目標達成」というゴールを共通認識として持ち、一緒になって考え、動いてくださいました。その姿勢が非常に良かったです。

少し例え話になりますが、RPO(採用代行)というと、一般的には「ディズニーランドのアトラクション案内役」のような存在だと思います。「こちらへお進みください」「次はこちらです」と案内してくれる役割です。しかし、御社の場合は、単に案内役に徹するのではなく、次第に観客側である私たちに寄り添って、同じ目線で考えてくれる感覚がありました。

「delyとしては、あちらの方向を目指したいんですよね。少し危なそうですが、行ってみますか?」といったやり取りができたのが良かったですね。プロジェクトの途中で計画変更を余儀なくされる場面もありましたが、そうした局面でも一緒に挽回できました。

2026年卒エンジニア新卒採用プロジェクトの成果と今後の展望

2026年卒エンジニア新卒採用プロジェクトでは、目標としていた10名の採用も達成し、採用プロセス全体の運用も大きく改善されました。インターン段階での母集団形成から本選考まで、各フェーズで安定的に学生と接点を持てたことが成果につながりました。一方で、オンボーディングに関しては今後の入社後フォローが重要であり、インターン施策のさらなる早期化など、今後の工夫の余地も見えてきたそうです。今後の新卒採用に向けた想いを伺います。

プロジェクトの成果

横山様:

まず、目標としていた10名の採用を達成できたことは、非常に良い結果だったと考えています。2023年卒採用時に内定を出せた人数と比較すると、今回はサマーインターン段階で既に大きく上回っています。その点でも、採用オペレーション面が劇的に改善されたと感じています。また、数字にも表れていますが、通過率や歩留まりといったKPIも順調に推移しており、採用プロセス全体の精度が高まったことを実感しています。

一方で、もう一つの大きなテーマであるオンボーディングについては、入社後のフォローがカギになります。これについては、今後も継続して注視しながら取り組んでいきたいと考えています。ただ、少なくとも採用フェーズにおいては、各マイルストーンでしっかりと成果を上げられたと手応えを感じています。

大竹様:

私も、最終的に10名採用という目標が達成できたことに非常に満足しています。

もちろん、改善点もあると考えています。例えば、インターン施策については、今回も夏に実施しましたが、さらに早期から着手しても良かったのではないかと感じています。学生との接触時間をより長く確保することで、関係性を深めることができ、結果的に入社後の活躍にもつながると思うので、2027年卒採用以降に向けてさらに工夫していきたいです。

次年度の挑戦について

大竹様:

やはりより多くの学生に「delyで働きたい」と思ってもらえる存在になりたいという思いがあります。

そのためには、候補者体験全体の質をさらに高める必要があると思っています。例えば、インターンの設計をより工夫して充実させることや、選考過程におけるコミュニケーションをより丁寧に行うことなど、一つひとつのプロセスで「delyの採用は良かった」と思ってもらえる体験を提供することを意識していきたいです。

2027年卒採用では、2026年卒ほど採用人数を大幅に増やす計画はありません。だからこそ、一人ひとりとの出会いを大切にし、採用活動の質をさらに高めることで、より良い成果につなげていきたいと考えています。

横山様:

私も同じように、より多くの学生に「最終的にdelyを選びたい」と思ってもらえるようにしていきたいと考えています。そのためには、新卒採用を継続していくことも大事ですし、一方で私たち自身が「変化し続けること」も必要だと感じています。

学生の就職活動に対する意識は、今も本質的には変わっていないと感じています。「できるだけ良い会社に入りたい」「優れたプロダクトや技術に触れたい」「納得できる待遇で働きたい」といった思いは、多くの学生に共通するものです。

私たちdelyは、まだまだ発展途上にある企業です。だからこそ、今のフェーズでしか得られない経験があり、自分たちの手でプロダクトやサービスを成長させる面白さがあると考えています。そういったdelyならではの魅力を、しっかりと学生に伝え切ることが必要だと思っています。

選考プロセスの中で丁寧に伝えるのはもちろんですが、就職活動を始める前の段階で「delyって面白そうだな」と目に留まるような情報発信にも力を入れていきたいです。

2026卒採用で確かな手応えを得られましたが、より多くの学生に選ばれる存在になるためには、まだまだやるべきことがあると感じています。「今年はこれだけやったから十分」ではなく、さらにあと20個、30個新たな取り組みに挑戦していくような姿勢で、来年度も採用活動を進化させていきたいです。

そうしたチャレンジを、また御社と一緒に取り組んでいけたら、さらに面白いことができるのではないかと楽しみにしています。

※組織名、所属部署、役職および記事内に記載の内容等は、全て取材時点のものです。

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