2024年11月20日

イベントレポート

採用のQ(採用基準)C(予算)D(期日)をすべて満たすのはムリ?!株式会社ゆめみ・片岡代表が語る、採用のトリレンマ攻略の秘訣|戦略採用勉強会・開催レポ#1 

リファラル、スカウト、エージェントなど、あらゆる手段を駆使してもハイクラスなテック人材を採用するのは、非常に難易度が高いと言われています。

トラックレコードでは、「戦略採用勉強会」と称して、テック人材の採用で成功している企業様、勢いのある企業様をお招きした勉強会を開催しています。

今回は、株式会社ゆめみ 代表取締役・片岡 俊行氏、株式会社GENDA VPoE兼プロダクト開発部部長・荒井 勇輔氏をお招きしたイベントについて、お届けします。

#1は株式会社ゆめみ 代表取締役・片岡 俊行氏によるプレゼンテーションです。

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ハイクラスなテック人材の採用で重要な「採用のトリレンマの攻略」

▼スピーカー
株式会社ゆめみ 代表取締役
片岡 俊行

私は2000年にゆめみという会社を創業しました。創業メンバーは全員学生だったため、今振り返れば失敗の連続だったわけですが、その結果としてユニークな会社になったのではと思っています。

ちなみに、社内では私の画像が“フリー素材化”されており、コラ画像がたくさん生み出されているような状況です。

突然ですが「6,000万」という数字を聞いたときに何を思い浮かべますでしょうか?

実は毎月6,000万人の企業の方と一緒に、ゆめみはサービスを作っているんです。

皆さんが普段から使うようなインターネットサービスの裏側にゆめみがあると言えます。我々は単なる受託企業ではく、クライアントと共創する「BnB2C(ビー・アンド・ビー・トゥー・シー)」モデルという形で一緒に取り組んでおりまして、最終的にはクライアントが自走していくための「内製化支援」を行っているのが特徴となっています。

日本CTO協会の調査では、開発者体験が良いイメージのある企業のトップ6にゆめみが連ねています。(2023年度は6位、2024年度は4位にランクイン

なぜ、名だたる企業があるなかで、上位にランクインできたかと言うと、採用広報やブランディングに力を入れてきたからです。

ハイクラス直接採用におけるポイントには「採用広報・ブランディング強化」と「採用のトリレンマの攻略」がありますが、今回は後者にフォーカスしてお伝えしたいと思います。

QCDのうち1つは諦めるしかない…採用のトリレンマ

ハイクラスエンジニア向け転職サイト「Findy」のアンケート調査によると、他社比較で認知度が低く、それに紐づくブランディングをするためのアクション不足に悩まれている企業が多くなっています。

こうした課題を解決するために肝になるのが採用のトリレンマの攻略です。

2つの中から1つしか選べないときに、どちらを取るか悩む“ツラミ”が生じるのはジレンマです。一方でトリレンマの場合、3つの中で1つは諦めるしかないという悩みです。

採用のトリレンマとはQ(採用基準)、C(予算)、D(期限)。理想としては、採用基準を高く設定し、かつ予算はなるべく抑えながら、早く採用することですが、これはなかなか実現するのは難しいのが現状です。つまり、経営層にこうした採用のトリレンマにおける制約状況を理解してもらうことが重要になるんです。

採用のトリレンマのうち、どれをうまくコントロールすることで最適化できるのかを考え、経営層と議論していくのが採用担当者の役割だと言えるでしょう。

まず、C(予算)での対策を考えると、前提として採用予算に対する解像度が高い経営はほとんどいないと言えます。

そのため、採用費や採用マーケティング費、採用労務費といった「採用総単価」のコスト構造を明確化し、それを踏まえて一人当たりの採用単価を算出するようにします。こうして、新卒や中途ごとに採用単価を可視化することで、コスト削減のためにアウトソーシングなどの選択肢を判断できるようになるわけです。
(下記の図はゆめみの実績に基づいて算出したものです)

次に、D(期限)での対策について説明したいと思います。

採用タイミングの見極めに関しては正直なところ、2週目の起業家でないと見通せないと思っています。成長に準じた形で適切なタイミングでの採用を行うのは難しく、どうしても後手になりがちなのが現実なのではないでしょうか。

実際にすぐには採用に結びつくのが難しい時代において、採用候補となる副業人材との接点を早期に作り、将来不可欠となるポジションを先取りすることが大切になってきます。

人材要件の解像度を高めておけば、経営層とのすり合わせのなかで、「本気でこのポジションを採りにいく」と意思決定する際に、副業人材か正社員採用かの計画を早く立てることができます。

あとは、将来的な採用ニーズの見通しが立たないからこそ、「オープンポジション」という形で、間口を広げる方法もあります。

一旦オープンにして、エージェントと幅広いコミュニケーションを取るようにすることで、ハイクラス人材との面談機会も増やせるようになります。その中から、自社にフィットする人材に巡り逢える確率も高くなるでしょう。

しかし、オープンポジションを設ける注意点として、採用担当者に見極め経験がない場合に、「なんとなく良さそう」で採ってしまうと、ミスマッチを招く恐れもあるので、その点は留意すべきです。

最後にQ(採用基準)での対策ですが、人材が早く欲しいからといって「採用基準にとどかない人を採用する」ことは絶対にNGです。もちろん、身の丈に合わない基準を変更することは必要に応じて行うべきですが、妥協してまで採用するのは良くありません。

採用基準を考えるときは、スコープコントロールを取り入れよ

前提として、採用基準は事業成長や組織成長に合わせて上げていくのが基本であり、容易には下げられません。そこで重要なのがスコープコントロール、つまり職種の中で職務や役割を細分化していく考え方です。

例えば、デザイナーとエンジニアのハイブリッド的なデザインエンジニアという職種が採用トレンドになっていますが、そういう組み合わせのパターンもあれば「プロダクティビティエンジニア」という形で狭い職種にスコープしていくことで、求職者側にも「自分にぴったりだ!」と思ってもらいやすくするパターンもあります。

このように、スコープコントロールを取り入れ自主応募を増やしていくためには、求職者への訴求力も大事になってきます。

そのほか、基準を下げずに一つ下の職位を採用する方法もあります。

例えば、採用責任者候補という形で募集し、マネージャーレベルの人を一旦採用し、ポテンシャルを見ながら採用責任者に抜擢することも視野に入れるといいでしょう。

一例として、ゆめみではテックリード採用にスコープコントロールを実践しました。

下の図のように、テックリードの役割を「共通」と「イニシアティブ」にわけ、イニシアティブについては6系統に細分化しています。これをベースにして、求職者に「どのイニシアティブを主導していきたいか?」を選んでもらう形です。

こうすることで、イニシアティブの重点配分が可能になり、実際の業務割合のコントロールができるように工夫しています。結果として、ハイクラス人材のニーズに合ったアトラクトがしやすくなったのです。

採用実績を少し紹介すると、1人目はメガベンチャー出身のテックリードです。

この方は、前職でプロジェクトリードや管理業務も兼任していたのですが、「純粋なテックリードを経験したい」「特定の言語に強みを持っているからこそ、新しいことに挑戦したい」という想いを持っていました。

ゆめみからは「テックリードとして特定の言語に関わりながらも、新しいことにチャレンジできる」というきめ細かやかな役割設定をし、入社に至っています。

2人目はネイティブアプリのテックリードを経験していた方。

前職では管理職としてのキャリア昇進が前提だったのですが、ゆめみには副業として関わってもらっていて、社内の採用広報活動に従事いただくなかで、魅力を感じてもらえました。

先ほどのイニシアティブ6系統の中だと記事執筆にご関心があったので、業務の20%は執筆に時間を割いてもらうという役割設計を行い、正社員のオファーをしたところ入社いただけました。

ハイクラスになればなるほど、人ありきの役割設計も考えていく必要があり、だからこそスコープコントロールの考え方をぜひ実践していただきたいと思っています。

LTの内容をまとめます。

採用トリレンマを攻略していく際、まずは採用総単価を出し、コスト構造を明確化した上で経営とコミュニケーションを図ることが重要です。

デットラインコントロールは、早期からオープンポジションで募集をかける、副業人材から社員登用を考えるといった手法もおさえておきましょう。

そして、採用基準は下げない前提で、職種の細分化やイニシアティブを作り、スコープコントロールしていくのも大切です。


トラックレコードでは、ハイクラステック人材の採用に必要な戦略から手法までを、事例を交えながらお伝えしていく勉強会を開催しています。採用支援に関してのご相談も随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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