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近年、新卒採用をめぐる競争が激しくなり、1人あたりの採用コストも年々膨らみ続けています。2026年卒では1人あたり「56.8万円」が相場の一つの目安とされていますが、自社のコストが妥当なのか、頭を悩ませている担当者の方も多いのではないでしょうか。
採用成功のカギは、単に予算を増やすことではなく、「何に、どれだけ投資しているか」という内訳の精査にあります。
この記事では、採用コストの平均・相場から内訳、正しい計算方法を紹介した上で、自社の採用単価は本当に妥当なのか、どのように改善できるのか解説していきます。


新卒採用コストを考えるうえでは、まず全体の相場感を押さえておくことが重要です。採用手法の多様化や早期化が進む中で、新卒採用にかかるコストの構造は以前よりも複雑になっています。
ここでは、新卒採用コストの平均と近年の傾向について解説します。
採用コストを正しく評価するために欠かせない指標が、CPH(Cost Per Hire)です。
「CPH(Cost Per Hire)」とは、採用活動にかかった総コストを採用人数で割った「1人あたりの採用単価」を指します。

このようにCPHを算出することで、自社の採用が「平均と比べて高いのか、適正なのか」を客観的に把握できるようになります。
採用単価は、かけたコストの総額だけでなく「何人採用できたか」によって大きく変わります。
下の図では、同じ568万円の採用コストをかけた場合でも、10名採用できたケースと5名しか採用できなかったケースで、1人あたりの採用単価にどれほどの差が生まれるかを示しています。

この比較から分かるのは、採用人数が想定より少なくなるほど、採用コスト(CPH)は上がるという点です。
そのため、単純に「平均より高い・安い」で判断するのではなく、採用計画どおりの人数を確保できているか、コストの増加が一時的なものなのか、構造的な問題なのかといった視点で評価することが重要になります。
「CPH(Cost Per Hire)」とは、採用活動にかかった総コストを採用人数で割った「1人あたりの採用単価」を指します。マイナビの調査によると、新卒採用の1人あたり平均単価(CPH)は約56.8 万円と報告されています。
とはいえ、この金額はあくまで「平均」にすぎません。採用人数が少ない場合は1人あたりの採用単価が高くなりやすく、反対に、一定数をまとめて採用する企業では低く出ることもあります。
入社予定者1人あたりの採用費平均 | 採用費総額平均 | |
|---|---|---|
全体 | 56.8万円 | 287.0万円 |
上場 | 49.0万円 | 917.6万円 |
非上場 | 57.5万円 | 233.1万円 |
出典:株式会社マイナビ「2024年卒 企業新卒内定状況調査」
また、この数値はあくまで「外部コスト」を中心とした平均値であり、実際に は上場企業や大手企業、あるいは専門職(エンジニア等)をターゲットとする場合、100万円を超える ケースも珍しくありません。
エンジニア1人採用するのに300万円? エンジニアの採用コストに関する記事はこちら
新卒採用コストの相場は、業種や企業規模によっても大きく異なります。一般的な傾向としては、以下のような違いが見られます。
分類 | 特徴 |
|---|---|
IT・エンジニア系 | 専門性が高く、学生の母集団が限られるため |
メーカー・インフラ系 | インターンや学校連携を重視する企業が多く |
サービス・小売系 | 採用人数が多い分、1人あたりの採用単価は抑えやすいが |
分類 | 特徴 |
|---|---|
大企業 | ブランド力はあるものの、採用フローが複雑で内部コストが膨らみやすい |
中堅・成長企業 | 媒体依存度が高く、外部コストが採用単価を押し上げやすい |
ベンチャー・スタートアップ | 採用人数が少ないため、1人あたりの採用単価が高く見えやすい |
このように、「採用単価が高い=失敗している」とは一概に言えません。重要なのは、同じ業種・規模の企業と比較したときに、自社のコスト構造がどうなっているかを把握することです。

新卒採用コストを正しく把握するためには、「何に、どれだけお金と時間がかかっているのか」を分解して考える必要があります。
多くの企業では求人広告費やイベント参加費といった外部コストに注目しがちですが、実際の採用単価を押し上げている要因は、目に見えにくい内部コストにあるケースも少なくありません。
ここでは、新卒採用コストを「外部コスト」「内部コスト」に分けて整理し、さらに見落とされがちな隠れたコストについても解説します。
外部コストとは、社外に支払う形で発生する採用費用を指します。比較的把握しやすく、予算管理もしやすい一方で、削減対象として真っ先に検討されがちな領域です。
・ 求人広告・ナビ媒体掲載費 |
|---|
これらの外部コストは、「使った金額」がそのまま数値として見えるため、採用コスト=広告費と誤解されやすい原因にもなっています。しかし、実際の採用単価を考えるうえでは、これだけでは不十分です。
内部コストとは、社内の人材や時間を使って発生するコストのことです。金額として直接請求されないため、見過ごされやすい一方で、総採用コストに占める割合は決して小さくありません。
・ 人事・採用担当者の人件費 |
|---|
特に注意すべきなのは、「採用担当者が何人月使っているか」「面接官がどれだけ稼働しているか」を可視化できていないケースです。ここを把握しないままでは、採用単価の正確な計算や改善はできません。
外部コスト・内部コストに加えて、見落とされがちなのが間接的に発生する採用コストです。これらは数値化されにくいものの、企業にとっては大きな損失につながる可能性があります。
例えば、次のようなケースです。
内定辞退による再採用コスト
一度決まった前提で動いていた採用計画が崩れ、追加募集が必要になる
早期離職によるコストの二重化
採用コストに加え、教育・オンボーディングコストが無駄になる
現場負荷の増大による生産性低下
採用対応に追われ、本来の業務に集中できない状態が続く
これらは「採用費」としては計上されませんが、結果として採用投資の回収率(ROI)を大きく下げる要因になります。

採用コスト削減というと、求人広告費を減らす、イベント出展をやめるといった「支出を抑える施策」が真っ先に検討されがちです。しかし、それだけでは母集団が集まらず、結果的に採用単価が上がってしまうケースも少なくありません。
重要なのは、採用活動全体の投資対効果(ROI)を高める視点です。
ここでは、数ある施策の中でも「効果が大きく、再現性が高い」3つの手法に絞って解説します。
採用コストを押し上げる大きな要因の一つが、内部コストの肥大化です。
特に新卒採用では、説明会運営、学生対応、日程調整、評価管理などの業務が長期間にわたって発生し、採用担当者や現場社員の工数を圧迫します。
こうした課題に対する有効な選択肢が
RPO(Recruitment Process Outsourcing:採用代行)の活用です。
RPOを導入することで、以下のような効果が期待できます。
採用担当者の人件費・稼働時間を削減
ノンコア業務を外部に切り出し、社内は意思決定に集中できる
採用プロセスの標準化・効率化
属人化しがちな業務を整理し、ムダな工数を減らす
採用成果とコストの可視化
プロセスが整理されることで、CPHやROIを把握しやすくなる
重要なのは、RPO(採用代行)を使うかどうか以前に、 自社の採用活動全体の中で、どこにコストと工数が集中しているのかを正しく把握することです。
外部コスト・内部コストを分解してみると、 「広告費を削っても大きな改善につながらない」 「むしろ設計や運用の歪みがコストを押し上げている」 と気づく企業も少なくありません。
こうした採用コスト構造の整理から支援しているのがトラックレコードです。 特定の業務を代行するのではなく、 採用活動全体を整理・可視化したうえで、採用単価(CPH)と成果のバランスをどう設計するかを重視した支援を行っています。

採用コスト削減において、最もインパクトが大きいのがミスマッチの解消です。
早期離職や内定辞退は、「採用コストをもう一度支払う」ことを意味します。これは、実質的に二重投資です。
ミスマッチを減らすための対策
採用ピッチ資料で「良い面・厳しい面」を両方伝える
期待値調整を行い、入社後ギャップを防ぐ
職種理解・働き方理解を深める選考設計
業務内容や求める役割を具体的に伝える
内定者フォローの質を高める
不安や迷いを早期に解消し、辞退リスクを下げる
これらの取り組みは、一見すると工数が増えるように見えますが、結果的には離職・辞退による損失を防ぎ、採用ROIを大きく改善します。 「採用単価を下げる」以上に、「無駄な採用を生まない」ことが重要です。
媒体依存型の採用は、外部コストが膨らみやすい一方で、母集団の質が安定しにくいという課題があります。
そこで注目されているのが、ダイレクトリクルーティングとリファラル採用です。
ダイレクトリクルーティングとリファラル採用のメリット
広告費を抑えながら、ターゲット人材に直接アプローチできる
企業理解が進んだ状態で接点を持ちやすい
ミスマッチが起きにくく、定着率が高まりやすい
特に新卒採用では、インターン参加者やアルバイト経験者、社員の知人・後輩など、既存接点を活用した採用導線を設計することで、採用単価を抑えつつ成果を出しやすくなります。
ただし、これらの手法も設計なしで導入すると、運用工数が増えるだけで終わってしまいます。 重要なのは、中長期で育てる採用チャネルとして位置づけることです。

新卒採用コストについて検討を進めると、「どこまで削減すべきなのか」「他社と比べて自社は高いのか」「新卒と中途、どちらがコスパが良いのか」といった疑問が必ず出てきます。
ここでは、新卒採用の現場で実際によく寄せられる質問を取り上げ、採用単価・ROI・中長期視点を踏まえながら解説します。
新卒採用コストは、「できるだけ下げるべきもの」ではありません。
重要なのは、採用成果に見合った水準になっているかどうかです。
例えば、採用単価を無理に下げた結果として、
母集団の質が下がる
選考が形骸化し、ミスマッチが増える
内定辞退や早期離職が増える
といった事態が起きれば、結果的に実質的な採用コストは上昇します。
削減すべきなのは「ムダなコスト」であり、
効果が検証されていない施策
惰性で続けている媒体・イベント
工数過多になっているプロセス
といった部分です。
採用単価(CPH)を指標として、成果とのバランスを見ながら最適化することが、現実的な考え方と言えます。
一概にどちらが優れているとは言えませんが、目的によってコストパフォーマンスは大きく異なります。
1人あたりの採用単価は高く見えやすい
育成コストが前提になる
定着すれば中長期的なROIは高くなりやすい
年収が高く、紹介手数料も高額になりやすい
ミスマッチが起きた場合の損失が大きい
採用競争が激しく、コストが読みにくい
そのため、短期成果を求めるなら中途、中長期の組織づくりや採用ROIを重視するなら新卒という考え方が現実的です。 採用コストは単年で評価せず、数年単位で回収する視点が重要です。
新卒採用コストは、求人広告費などの外部コストだけで判断すると実態を見誤りがちです。採用担当者の人件費や選考・内定者フォローにかかる工数といった内部コストまで含めて把握することで、初めて「どこにムダがあるのか」「何を見直すべきか」が見えてきます。
2026年卒の平均は約56.8万円とされていますが、平均より高いか低いかという比較だけでは、具体的な改善にはつながりません。大切なのは、自社の採用活動の中で、どこに手間やコストがかかり、どこがうまく成果につながっていないのかを把握できているかどうかです。
もし「CPHは算出したものの、次に何を見直すべきか判断できない」と感じている場合は、採用のプロが監修した人事担当者向けの資料を参考にしてみてください。採用コストを見直す際の考え方やヒントが見つかるはずです。

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