2026年1月30日

新卒採用

【最新版】新卒採用トレンドまとめ|Z世代に選ばれる企業の採用戦略とは

「採用が年々うまくいかなくなっている気がする」「スケジュールを早めても、内定辞退が減らない」
そんな悩みを抱えている人事・採用担当者は少なくありません。

背景にあるのは、売り手市場の加速やZ世代の価値観変化など、新卒採用を取り巻く前提そのものの変化です。

この記事では、今の新卒採用市場で何が起きているのかを整理しながら、Z世代の変化や企業側に起きやすいズレなど新卒採用のトレンドを解説します。今の採用を見直すヒントを一緒に探っていきましょう。 

数字から見えてくる新卒採用市場の今

ここ数年、「母集団が集まりにくい」「選考途中で離脱される」「内定を出しても決まらない」という声をよく聞きます。 近年の新卒採用トレンドとして、市場の前提そのものが変わってきていると感じている企業も多いはずです。

まずは今の新卒採用市場が、どんな状態にあるのかを整理してみましょう。

求人倍率1.66倍、継続する「超売り手市場」

新卒採用市場は、ここ数年にわたり売り手市場が続いています。リクルートワークス研究所の調査によると、2026年卒の求人倍率は1.66倍とされ、学生1人に対して複数の企業が競合する構造が常態化しました。

引用:リクルートワークス研究所「第42回 ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)」

さらに、企業規模別の格差も著しくなっています。従業員5,000人以上規模の会社の求人倍率は0.34倍であるのに対し、従業員300人未満の中小企業の求人倍率は8.98倍です。学生1人に対して約9社が奪い合っている計算になります。

売り手市場が続く中で重要なのは、「採れない理由」を市場環境だけに求めないことです。

近年の新卒採用トレンドでは、学生から見て“選ぶ理由が分かりにくい企業”ほど、早い段階で候補から外されやすくなっています。その結果、「ちゃんと採用活動はしているのに、なぜか集まらない」という状態に陥りやすくなります。

2026卒は夏時点で内々定率87.8%、動き出しが一段と早くなっている

もう一つ大きな変化が、採用スケジュールの早期化です。

マイナビの調査によれば、2026年卒の8月末時点の内々定保有率は87.6%に達しました。
早期化は、ここ数年続く新卒採用トレンドの中でも、特に影響が大きい変化です。

インターンシップやオープンカンパニーを通じて、実質的な選考が早い段階から始まり、学生側も「早く動いた方が選択肢が広がる」と理解しています。

この流れに対応できていない企業では、「説明会には人が来るのに、選考が進まない」「最終面接まで進んでも内定辞退される」といった事態が起きやすくなります。原因は個々の選考対応ではなく、そもそもの採用スケジュール設計が市場とズレていることにあるケースがほとんどです。

理系学生の内定率は9割超、争奪戦が極限状態へ

理系学生、とくにIT・エンジニア系人材の採用は、さらに厳しい状況です。
学情(Re就活)の調査では、2025年7月末時点で、2026年卒の理系学生の内々定率は93.9%と、文系(84.7%)を大きく上回るスピードで進んでいます。

出典:学情「2026年卒 内々定率調査」

理系学生は研究室の推薦や、早期のインターンシップ経由で早々に進路を決定する傾向が強まっています。
4月の選考解禁時に「理系枠」を募集しても、ターゲットとなる学生はすでに活動を終えている可能性が高いのです。

学生1人あたりのエントリー社数は年々増加傾向

学生1人あたりのエントリー社数は、マイナビの調査で累計平均28.5社と、過去5年間で最多を記録しました。

学生はスマホで手軽にエントリーできる仕組みを活用し、「まずは広く浅く確保しておく」という行動を強めています。一見、母集団は集まっているように見えても、一人ひとりの志望度は希薄になりやすく、結果として「歩留まりの悪化」や「直前での内定辞退」を招く要因となっています。

Z世代の価値観と最新の採用トレンドを深掘り

数字の裏側にあるのは、学生たちの「本音」の変化です。
「Z世代」と呼ばれる今の学生たちは、物心ついた頃からスマホを使いこなし、社会の先行きの不透明さを敏感に感じ取っています。近年の新卒採用トレンドは、こうしたZ世代の価値観の変化と強く結びついています。

ここでは、Z世代の学生が企業選びで何を基準にしているのか、現場で起きている3つの変化を見ていきます。

「安定」よりも「納得感」を重視する傾向が強まっている

かつての新卒採用では、「大手」「安定」「福利厚生が充実」といった分かりやすい指標が重視されていました。一方、Z世代では、

  • なぜこの会社で働くのか

  • 自分は何を任され、どう成長できるのか


といった意思決定の納得感を重視する傾向が強まっています。

これは理想論ではなく、情報量が増えた結果でもあります。

企業サイトや採用ページだけでなく、SNSや口コミを通じて多角的に情報を比較できるため、「なんとなく良さそう」では決断しにくくなっているのです。

仕事内容や配属が見えない「ガチャ不安」が大きくなっている

近年よく聞かれるのが、「配属ガチャ」「仕事ガチャ」への不安です。

入社するまで「どの部署で」「どんな仕事をするか」がわからない不透明な状況を、今の学生はキャリアにおける最大のリスクだと考えています。

特に、専門性を意識する学生ほど、
「せっかく身につけたスキルが活かせないのではないか」
「希望しない配属になったらどうするのか」と考えます。
この不安を解消できないまま内定を出しても、他社と比較された際に辞退されやすくなります。

さらに、大手企業を中心に「職種別採用」が当たり前になりつつあります。
中堅・中小企業でも「入社してから決める」というスタンスのままだと、それだけで志望候補から外されてしまう恐れがあります。

SNSや口コミなど“企業のリアル”を重視する学生が増えている

Z世代の特徴として、「公式情報をうのみにしない」姿勢も挙げられます。
説明会や採用サイトで語られる内容よりも、

  • SNSでの社員発信

  • 口コミサイトの体験談

  • 動画で見える職場の雰囲気


といったリアルな一次情報を重視する傾向があります。

裏を返せば、情報を出していない企業ほど「何か隠しているのでは」と不安を持たれやすいということです。
結果として、採用広報の質が、母集団形成だけでなく内定承諾率にも直結するようになっています。

新卒採用のトレンドを踏まえた「採用手法」の変化

Z世代の価値観や売り手市場の定着により、新卒採用では「やり方そのもの」を見直す企業が増えています。近年の新卒採用トレンドとして顕著なのは、目新しい施策が増えたというよりも、従来は補助的だった手法が採用の中心に近づいているという変化です。

ここでは、具体的に5つの採用手法の変化について解説します。

オープンカンパニー・早期イベントによる母集団形成

近年は、大規模な会社説明会よりも、オープンカンパニー(1日程度の就業体験)や少人数制イベントを重視する動きが強まっています。

背景には、採用活動の早期化と同時に、「一方的に説明する場」では学生の関心を引きにくくなっている現状があります。

オープンカンパニーでは、実際の業務内容や社員の働き方を具体的に伝えやすく、学生側も「自分が働く姿」をイメージしやすくなります。その結果、単なる情報収集目的の参加ではなく、志向性が合った学生との接点を早期につくりやすくなっています。

また、 大学1〜2年生を対象としたイベントも増えています。「できるだけ早く接点を持つ」ことが重視されるのも近年の新卒採用トレンドの一つであり、いかに早い段階で「名前を知っている会社」になれるかが重要です。

インターンシップの選考直結化・長期化

2025年卒から、一定の条件を満たしたインターンシップで得られた学生の情報を、選考に使うことが正式に認められました。これにより、「インターン=事実上の選考の場」という認識がさらに強まっています。

「1日完結」も人気ですが、優秀な学生ほど実際の仕事に近い経験ができる「長期インターン」や、社員からアドバイスがもらえる「実践型」を好みます。インターンを単なる体験イベントで終わらせず、その後の早期選考にどう繋げるかを設計し直すことが、採用成功のカギとなります。

一方で、すべての企業が「インターン=早期選考」に舵を切っているわけではありません。例えば三菱地所は、就職活動の早期化が学生の学びや挑戦の機会を奪っているという問題意識から、2027年卒採用において夏・冬インターンの実施をあえて取りやめる判断をしています。

インターンを「囲い込みの導線」として使うのではなく、学生が本来向き合うべき学びの時間を尊重したいという考え方です。こうした事例は、インターンを実施するかどうかではなく、「自社は学生とのどの接点で、何を伝えたいのか」を企業側が改めて問い直し始めていることを示しています。

出典:三菱地所があえてインターンをやめた理由──学生に届けたい「等身大の就活」

スカウト・ダイレクトリクルーティングの活用拡大

「待っていれば応募が来る」時代は終わり、企業側から直接アプローチする「ダイレクトリクルーティング(スカウト)」が新卒採用でも一般的になりました。志向性が近い学生と早く出会い、選考前から理解を深められる点が大きなメリットです。

ただし、画一的な文面のスカウトでは効果が出にくくなっています。「なぜこの学生に声をかけたのか」「自社のどこに魅力を感じてほしいのか」を言語化できないと、かえって志望度を下げてしまうケースもあります。

ダイレクトリクルーティングについて詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
≪ なぜダイレクトリクルーティングは失敗するのか?よくある誤解と対策 ≫

AI・データを活用した選考・マッチングの工夫

最近の大きな変化として、「生成AI」の活用が挙げられます。学生がAIを使ってエントリーシート(ES)を書くのが当たり前になる中で、企業側も選考のやり方を見直しています。

例えば、AIを使ってESの確認を効率化し、その分、面接などの「直接会って話す時間」を増やす動きが出ています。

また、書類に書いてある情報だけでなく、適性検査などのデータを使って、自社の社風に本当に合うかどうかを見極める工夫が進んでいます。

SNS・動画を活用した採用広報

「文字だけの求人票」では、社内の雰囲気はなかなか伝わりません。特にTikTokやInstagramのショート動画、YouTubeを活用した広報に力を入れる企業が増えています。

プロが作った立派なPR動画よりも、「オフィスでのランチの様子」や「若手社員の本音トーク」といった、飾らない日常のひとコマが今の学生には刺さります。

特に動画は、タイパを重視する学生にとって情報収集しやすく、企業理解の入り口として有効です。SNSや動画を活用した採用広報は、Z世代がリアルな情報に価値を置く昨今の新卒採用トレンドでも重要な役割を担っています。

新卒採用のトレンドを踏まえて、企業が考えるべき採用戦略

ここまで見てきた市場環境や学生の価値観、採用手法の変化を踏まえると、「新しい施策を足すこと」よりも、採用全体の設計を見直すことが重要になっていることが分かります。

ここでは、新卒採用のトレンドを踏まえて、今あらためて整理しておきたい「3つの戦略」を解説します。

採用活動全体を貫く「軸」を先に設計する

採用がうまくいかない企業ほど、施策が場当たり的になりがちです。説明会、インターン、面接それぞれで伝えている内容が微妙にズレており、学生側が「結局この会社は何を大事にしているのか分からない」と感じてしまうケースも少なくありません。

そこで重要になるのが、採用活動を通じて一貫して伝える「軸」を先に言語化することです。 たとえば、

  • どんな仕事を任せたいのか

  • どんな価値観の人と働きたいのか

  • 入社後にどんな成長を期待しているのか

これらを明確にしたうえで、各接点に落とし込むことで、学生の理解度と納得感が高まりやすくなります。採用の軸が定まることで、施策選びや判断もブレにくくなるのがメリットです。

早期化・長期化を前提に採用スケジュールを組み直す

新卒採用では、動き出しの早期化と選考期間の長期化が同時に進んでいます。

それにもかかわらず、従来と同じスケジュール感で進めてしまうと、「気づいたときには有力層が他社に決まっていた」という事態に陥りやすくなります。

重要なのは、選考開始を早めることそのものではなく、学生との接点を持つ期間を長く設計することです。オープンカンパニーやインターンを通じて関係性を築き、段階的に志望度を高めていく流れを前提にすることで、内定辞退のリスクも抑えやすくなります。

早期化を前提にスケジュールを組み直すことで、採用活動全体に余裕が生まれる点も大きなメリットです。

書類に頼らない選考設計へシフトする

エントリー数が増える一方で、書類選考だけでは学生の志向や強みを見極めにくくなっています。特にZ世代は、形式的なエントリーシートよりも、対話や体験を通じて自分を理解してもらいたいと考える傾向があります。そのため、

  • 面談形式のカジュアルな接点

  • インターンやワークを通じた評価

  • スカウト時点からの対話設計

など、新卒採用トレンドに合わせて、書類に依存しない選考設計へとシフトする企業が増えています。

こうした背景から、採用の進め方そのものを見直したいと考える企業も増えています。

トラックレコードは、新卒・中途採用の設計から運用までを採用支援を行っています。企業ごとの採用課題や体制に合わせて、採用設計の段階から企業ごとに最適な選考フローを設計しています。

母集団形成から内定承諾までを一貫して設計することで、途中で学生が離れにくい採用設計がしやすくなる点が強みです。

新卒採用のトレンドに関するよくある質問

新卒採用のトレンドに関して人事・採用担当の方から様々な質問が寄せられます。

ここでは、近年の新卒採用トレンドを踏まえて、現場で判断に迷いやすいポイントを中心に、よくある3つの質問と考え方のヒントをまとめました。

2028卒の採用活動はいつから準備を始めるべきですか?

新卒採用は「3年生になってから始まるもの」ではなく、大学2年生の後半からすでに動き出しています。

外資系やベンチャー企業では、3年生の春頃からインターン説明会や選考が始まり、夏にはサマーインターンを経て内々定に近い判断が行われるケースも珍しくありません。

一方、学生側もこの時期から業界研究や自己分析を進め、夏〜秋にかけて参加するインターン先を軸に志望企業を絞り込んでいきます。

そのため企業側も、選考開始時期より前に、どのタイミングで学生と最初の接点を持つかを設計しておくことが重要です。

オープンカンパニーや情報発信など、早い段階で企業理解を促す取り組みを行っておくことで、秋以降の本選考や内定提示の局面でも、比較対象として残りやすくなります。

新卒採用トレンドや動向は、どこを見て押さえればいいですか?

公的なデータであれば、厚生労働省の「就職先別求人倍率」や、リクルート、マイナビといった大手プラットフォームが公開する「内定率調査」が新卒採用トレンドを客観的に把握するのに役立ちます。

また、最新の「学生の本音」を知るには、SNS(XやInstagram)で就活生のアカウントをフォローしたり、自社の内定者に「就活中にどんな情報が欲しかったか」「就活中にどのSNSを見ていたか」「競合他社のどんな対応に惹かれたか」をヒアリングしたりするのが、リアリティのある情報源になります。

学生のAI利用を制限すべきですか?

生成AIの利用については、「禁止すべきかどうか」で悩む企業も増えています。ただ、一律に制限するかどうかよりも、学生がAIをどのように使っているかを見る視点が重要になりつつあります。

実務においてもAI活用は当たり前になりつつあります。エントリーシートや課題でAIを使っていたとしても、

  • どんな問いを立てたのか

  • その内容を自分の言葉で説明できるか

といった点を見ることで、思考力や理解度を把握することができます。

エントリーシートの文章力で合否を決めるのではなく、面接での対話やワークショップなど、「AIでは代行できない部分」で学生自身の強みを見極める選考設計へとアップデートしていきましょう。

まとめ

新卒採用を取り巻く環境は、売り手市場の定着や採用スケジュールの早期化、Z世代の価値観変化などにより、ここ数年で大きく様変わりしています。これまでと同じやり方を少し調整するだけでは、内定辞退やミスマッチといった課題を解消しにくくなっているのが実情です。

重要なのは、新卒採用のトレンドを「知ること」ではなく、自社の採用にどう当てはめるかを考えることです。

早期から学生と接点を持つ設計や、仕事内容・配属の見えやすさを意識した情報発信、書類に頼りすぎない選考プロセスなど、小さな見直しの積み重ねが結果に差を生みます。

もし「今のやり方で本当に合っているのか」「どこから見直すべきか分からない」と感じる場面があれば、第三者の視点で整理してみるのも一つの選択肢です。

トラックレコードでは、企業ごとの採用状況や課題を踏まえながら、新卒採用の設計や進め方を一緒に整理する支援を行っています。情報交換や壁打ちの場として相談してみるだけでも、次に取るべき一手が見えてくるはずです。

JPXプライム150銘柄企業を対象に、新卒採用におけるサイト・SNS活用の実態を調査しました

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