採用ブランディング成功事例|マルイユナイトとdelyに学ぶ“企業らしさ”の発信

採用市場がますます複雑化する中、企業が“自社らしさ”をどのように言語化し、どのように候補者へ届けていくのかは、採用の成否を左右する大きなテーマになっています。

本記事では、そのテーマに真正面から向き合い、採用ブランディングに取り組んだ
「マルイユナイト株式会社」 と 「dely株式会社」 の2社についてご紹介します。

私たちトラックレコードは、両社が抱えていた採用課題と向き合う過程で、

• 採用ピッチ資料

• 採用サイト

• インターン施策の再設計

といった発信・コミュニケーション領域をご一緒しながら、採用戦略の立案から制作・実行フェーズまでを伴走させていただきました。

本記事では、両社がどのように“企業らしさ”を形にしていったのか、そして採用成果につながった背景にどのようなプロセスがあったのかを、実際の流れとともにお伝えします。

採用ブランディングが「採用の成否」を分ける時代へ

現代の採用市場、特に競争の激しいエンジニア採用や優秀な若手人材の獲得において、「いかに多くの母集団を集めるか」という量的なアプローチは限界を迎えています。

求職者は給与や待遇といった条件面だけでなく、「その企業で働く意味」や「自らの価値観との一致(カルチャーフィット)」を強く意識するようになりました。

このような市場環境において、企業が自社の魅力や価値観、つまり “企業らしさ” を明確に定義し、それを一貫したメッセージとしてターゲット層に届け続ける活動、

すなわち「採用ブランディング」の重要性が急速に高まっています。

しかし、「採用ブランディングの必要性は理解しているが、何から手をつければいいかわからない」「“自社らしさ”をどう言語化すればいいのか」「SNSや採用サイトなど、チャネルごとに発信がバラバラになっている」といった課題を抱える人事・採用担当者様は非常に多いのではないでしょうか。

採用ブランディングの成功は、単に美しい採用サイトを作ることや、SNSで流行りの投稿をすることではありません。


それは、「自社が何者であり、どこを目指し、どのような仲間を求めているのか」という根源的な問いに対する答えを、採用ターゲットの心に響く言葉と体験を通じて、一貫して届け続けるプロセスそのものなのです。

事例①:マルイユナイト株式会社|卓越した表現力とスピード感で、新組織の「魅力」を言語化

丸井グループは、小売・フィンテックの融合を掲げ、グループ全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に推進しています。
その中核を担うデジタル専門組織として、2024年9月に設立されたのがマルイユナイト株式会社です。

背景・課題:新設組織のハイレイヤー採用と「伝わり方」の壁

マルイユナイトは、グループ全体のテック内製化とDX推進という重大なミッションを背負ってスタートし、設立当初から、そのミッションを牽引できるハイレイヤーなエンジニアの採用が急務でした。

しかし、新設されたばかりの組織であり、社内にはエンジニア採用に関する専門的なノウハウが十分ではありませんでした。
従来の採用媒体に頼るだけでは、求めるレベルの人材にリーチし、魅力を伝えることは困難といえました。

ですが、厳しい状況とはいえ、丸井グループ内にはすでに株式会社Mutureや株式会社 エムアンドシーシステムといったDX・IT関連企業が存在しており、マルイユナイト独自のポジションと魅力を明確にし、差別化された採用戦略を打ち出す必要があったのです。

トラックレコードを選んだ理由:実績に裏打ちされた「解像度」と「言語化力」

トラックレコードは、過去に丸井グループの別組織であるMutureの採用支援で確かな実績を上げていました。この経験から、丸井グループが目指すDXの方向性や、採用ターゲットとなるエンジニア層に対する深い理解(解像度)を有していました。

マルイユナイトがパートナーとしてトラックレコードを選定した決め手は、その高い解像度に基づく「言語化力」でした。
新組織の曖昧な魅力を的確に捉え、エンジニアの心に響く言葉へと変換できる能力を高く評価いただきました。

採用ピッチ資料の制作と表現調整:「伝わる言葉」への翻訳

採用ブランディングの第一歩は、「採用ピッチ資料」の制作から始まりました。採用ピッチ資料は、マルイユナイトが「何者」で「何を目指すのか」を採用候補者に明確に伝えるための羅針盤となるものです。

このプロセスで最も注力したのが、丸井グループ特有の表現やビジネス用語を、エンジニア採用市場で「伝わる言葉」へと翻訳(リフレーミング)することでした。

例えば、グループが掲げる「Fintech(フィンテック)カンパニー」「RetailTech(リテールテック)カンパニー」といったビジョンも、そのままではエンジニアにとって具体的にどのような技術的挑戦があるのか伝わりにくい側面がありました。

私たちは、これらの言葉が示す事業の将来性や技術的な面白さを、エンジニアが魅力的に感じる文脈に置き換える作業を提案。
数回にわたる打ち合わせを重ね、マルイユナイトが持つ独自のカルチャーやミッションを、トラックレコードが俯瞰的な視点で言語化し、一つひとつの表現を磨き上げていきました。

戦略設計からRPOまでの一貫支援:採用実務への「一貫性」の担保

採用ピッチ資料という「戦略・思想」の言語化が完了した後、トラックレコードはRPO(採用代行)サービスとして、実際の採用オペレーション(スカウト支援)まで一貫して支援に入りました。

採用ブランディングにおいて重要なのは、言語化された“らしさ”が、候補者とのあらゆる接点で一貫して体現されていることです。

私たちは、作成したピッチ資料の世界観に基づき、候補者のレジュメを深く読み込み、なぜ魅力を感じたのかを伝えるパーソナライズされたスカウト文面を設計。
日程調整の提案に至るまで、候補者体験を損なわない丁寧なコミュニケーションを徹底しました。

さらに、毎週の定例ミーティングを通じて細かな改善を繰り返し、採用媒体側とも密に連携。
結果として、スカウトの返信率や質の高い母集団の形成において、着実な改善に寄与しました。

トラックレコードを評価点いただいた点:アジャイルな進行と「卓越した表現力」

マルイユナイトの担当者様からは、トラックレコードの支援スタイルに対して、特に以下の点を高く評価いただきました。

  1. アジャイル的な進め方
    従来の制作会社やコンサルティングファームにありがちな「要件定義→FIX→納品」というウォーターフォール型ではなく、初期段階からラフな成果物を共有し、議論しながらブラッシュアップしていく「アジャイル的な進め方」が、新組織のスピード感とマッチしていた。

  2. 言語化と抽象化のバランス感覚
    企業の思いという「抽象的」な概念を的確に捉えつつ、それを候補者に響く「具体的」な言葉に落とし込むバランス感覚に優れていた。

  3. 驚異的なスピード感
    打ち合わせ中に議論した内容が、その場ですぐに資料に反映されていくほどのスピーディーな制作体制と対応力。

特に、「卓越した表現力とスピード感には驚いた」とのお言葉をいただき、単なる業務代行者ではなく、伴走するパートナーとしての価値を実感いただけました。

事例②:dely株式会社|同じ景色を見ながら背中を押す、勝てる新卒採用モデルの構築

「Be the Sun(太陽であれ)」というミッションを掲げ、国内No.1のレシピ動画サービス「クラシル」や、ポイ活サービス「クラシルリワード」を運営するdely株式会社。

同社は、継続的な事業成長のために、新卒採用を重要な経営戦略の一つと位置づけています。

背景:新卒採用の本格化と「22卒の課題」

delyは2019年卒から新卒採用を開始し、2022年卒(以下、22卒)からはエンジニア職を含む本格的な採用活動へと舵を切りました。

22卒では7名の優秀な学生を採用できた一方で、入社後のオンボーディング(受け入れ・定着支援)において課題が残りました。
採用活動の成果を、入社後の「活躍」という中長期的な組織強化にまでつなげることが、次のステップとして求められていました。

そして、26卒採用(2024年〜2025年実施)において、delyは「10名採用」という高い目標を設定。
採用体制を根本から再設計し、持続可能な新卒採用の仕組みを構築するために、トラックレコードとの連携をスタートさせました。

課題と狙い:カルチャーフィット人材の「継続的な採用」

delyが目指したのは、単発の採用成功ではありません。

  • delyのカルチャーに強くフィットし、未来の組織を担う人材を継続的に採用できる仕組みを作ること。

  • 育成を前提としたポテンシャル採用により、中長期的な組織強化を実現すること。

背景には、競争が激化する中途採用市場への危機感もありました。優秀な人材を中途で獲得し続けることが難しくなる前に、新卒採用という新たなチャネルを確立し、安定化させる狙いがありました。

トラックレコードを選んだ理由:過去の実績からくる「絶対的な信頼」

delyがトラックレコードをパートナーに選んだ理由は、過去の中途採用支援で築いた強固な信頼関係にありました。

トラックレコードはdelyの事業内容、カルチャー、そして採用ターゲット層を深く理解しており、その実績は確かなものでした。
他社RPOサービスと比較しても、単なるオペレーション代行に留まらない柔軟な対応力と、戦略レベルから議論できる体制を高く評価いただきました。

実施した施策:戦略設計からオペレーションまで「一気通貫」の伴走

26卒採用プロジェクトは、戦略の根本的な見直しから始まりました。

  1. ペルソナ設計の刷新: 従来の「即戦力に近い経験者層」というターゲットだけでなく、delyのカルチャーへのフィットを最重要視した「ポテンシャル層」にまでペルソナを拡大。採用の間口を広げ、育成体制とセットで戦略を再構築しました。

  2. インターンシップの再定義: 従来の「就業体験」がメインだったインターンを、「delyのVMVP(Vision, Mission, Value, Principles)を深く浸透させる場」として再定義。dely“らしさ”を体験してもらうコンテンツへと構成を大幅に変更しました。

  3. 早期のカルチャー浸透: 内定者インターンや、先輩社員との1on1を設計し、入社前からdelyのカルチャーに触れ、スムーズに組織に馴染めるような仕掛けを導入しました。

  4. 育成・メンタリング体制の刷新: 入社後のオンボーディング課題を解決するため、メンタリング体制を刷新。既存事業での基礎力向上から新規事業での実践経験まで、成長ステップを明確化しました。

  5. RPO(採用実務)の実行: 複数媒体を横断したスカウト運用、KPI設計と週次のモニタリングなど、戦略の実行に必要なオペレーションをトラックレコードが伴走しました。

成果:目標達成と「採用オペレーションの安定化」

トラックレコードの一貫した伴走支援により、delyは26卒採用において「目標10名の採用」を見事達成しました。

成果は採用数だけではありません。

  • 選考プロセスにおける通過率や歩留まりといったKPIが大幅に改善。

  • サマーインターンの時点で十分な母集団を形成でき、その後の採用活動を優位に進めることができました。

  • トラックレコードがオペレーションを巻き取ることで、delyの採用担当者は戦略設計や候補者とのコミュニケーションといったコア業務に集中でき、採用活動全体の負荷軽減と安定化に成功しました。

戦略設計時に定めたターゲット層(ポテンシャル層含む)と継続的に接点を持ち続け、プロジェクト全体を安心して進められる進行体制を実現できたことは、delyにとって大きな資産となりました。

トラックレコードを評価いただいた点:「チームdelyの一員」としての伴走力

delyの担当者様からは、トラックレコードの支援姿勢、特にその「伴走力」に対して高い評価をいただきました。

  • トラックレコードは単なる「外注先」ではなく、「チームdelyの一員」として、常にdelyと同じ目線で課題解決を考える姿勢を持っていた。

  • 計画通りに進まない事態や状況変化が発生した際も、柔軟な対応と粘り強いリカバリー策を主体的に提案してくれた。

  • 丁寧な進捗管理とデータに基づく改善提案は、プロジェクトを推進する上で非常に心強かった。

採用プロセスを「丸投げ」するのではなく、共に走り、共に悩み、共に改善する「伴走パートナー」としての信頼関係が、このプロジェクトの成功を支えました。

2社に共通する採用ブランディング成功要因

マルイユナイトとdely。事業内容も組織フェーズも異なる2社ですが、その採用ブランディング成功の裏には、トラックレコードとの連携における「3つの共通要因」が存在します。

1. 「言語化力」とターゲットに合わせた表現調整へのこだわり

1つ目の共通点は、「伝わる言葉」への徹底的なこだわりです。

  • 両社とも、自社の魅力やミッションを、採用ターゲット(エンジニア、新卒学生)のバックグラウンドや価値観を深く理解した上で、彼らに響く語彙や文脈に「翻訳」するプロセスを重視しました。

マルイユナイトでは「エンジニアに伝わる言葉」へ、delyでは「新卒ポテンシャル層に響くVMVPの浸透」へと、対象に応じたメッセージ設計を実践しました。
このメッセージ精度の高さが、候補者の共感を呼び、採用成果の「質」を高めることに直結しました。

2. スピード感と「アジャイルな」柔軟な進行

2つ目の共通点は、圧倒的なスピード感と柔軟な進行管理です。

  • マルイユナイトの担当者様が「アジャイル的な進め方」と評したように、議論と制作を高速で往復するプロセス。

  • delyの事例で見られた、KPIに基づく迅速なオペレーション改善と状況変化への対応力。

採用市場は「生き物」です。一度決めた計画に固執するのではなく、状況に応じて柔軟に戦略や戦術を修正していくスピード感が、採用競争において優位に立つための鍵となります。トラックレコードの支援体制は、この現代の採用活動に不可欠な「スピードと柔軟性」を両立していました。

3. 伴走型で「線を引かない」支援体制

3つ目の最大の共通点は、トラックレコードが「契約書に書かれた業務だけ」を行うベンダーではなく、クライアントと共通のゴール(採用成功)に向けて並走するパートナーであった点です。

  • マルイユナイトの事例では、採用ピッチ資料の作成に留まらず、毎週の定例ミーティング、媒体担当者との調整、RPO実務まで一貫して支援しました。

  • delyの事例では、戦略設計からオペレーションまでを担い、計画変更や突発的な課題に対しても「チームの一員」として柔軟に対応しました。

このように、戦略と実行の間に線を引かず、オペレーションまで一気通貫で伴走する支援体制こそが、机上の空論で終わらない「生きた採用ブランディング」を実現させました。

採用ブランディング成功の鍵は「解像度」と「一貫性」

マルイユナイトとdely、2社の成功事例が示すもの。それは、採用ブランディングを成功させる要因が、

  1. 採用ターゲットと自社への「高い理解と解像度」

  2. 戦略(思想)から実行(オペレーション)までの「一貫したコミュニケーション設計」

の2点にあるということです。

そして、この2つを実現するために最も重要な能力こそが、企業の理念や文化、働くことのやりがいといった「目に見えない価値」を、候補者の心に響く言葉や体験へと変換する“翻訳力”に他なりません。

自社らしさを言語化できない、一貫した発信ができない、あるいは実行するリソースが足りない。もし、そうした課題をお持ちであれば、それは外部の専門的な視点とリソースを活用する絶好の機会かもしれません。

本記事でご紹介した2社の事例のように、企業の「内側」にいる担当者様と、「外側」から市場を俯瞰できるパートナーが手を取り合うことこそが、採用ブランディングを成功へと導く最短距離となるのです。

TECH HIRE」はエンジニア領域を中心に、採用戦略設計からチャネル選定、母集団形成、ダイレクトリクルーティング、ブランディング企画、効果測定まで、一気通貫でご支援しています。

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