2026年4月28日

採用ノウハウ

応募が集まる求人票の書き方|職種別の例文付きでコツを解説

 求人票を書いているのに応募が増えない、書くべき項目は押さえているはずなのに手応えがない。そんな悩みを感じている採用担当者の方は少なくありません。実際、求人票は募集要項を並べるだけではなく、誰に・何を・どう伝えるかで応募数やマッチ度が大きく変わります。

この記事では、求人票の基本から2024年4月の法改正で押さえたいポイント、応募が集まりやすい書き方のコツ、職種別の例文まで解説します。

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求人票とは|役割と重要性

求人票は、求職者が応募するかどうかを判断する最初の接点です。書き方ひとつで応募数も入社後の定着率も変わるため、役割と目的を正しく理解しておくことが欠かせません。

一方で、求人票は、応募を集めるだけでなく、厚生労働省が示す明示ルールに沿った正確さも求められます。

ここでは、求人票が持つ役割や重要性、求人票に記載すべき項目について解説します。

求人票の役割と目的

求人票の役割は、大きく分けると「応募を促すこと」と「入社後の認識ずれを防ぐこと」の2つです。

前者では、仕事内容や働く環境、待遇をわかりやすく伝えることで、求職者が応募判断しやすくなります。後者では、雇用形態や賃金、勤務条件、業務内容を具体的に示すことで、「思っていた仕事と違った」というミスマッチを減らせます。

特に中小企業や現場兼務の採用担当者が求人票を作る場合、会社の魅力を伝えたい気持ちが先に立ちやすい一方で、求職者が知りたいのは「結局、自分は何を任され、どんな条件で働くのか」という実務的な情報です。

求人票は会社紹介文ではなく、求職者の意思決定を支える実務文書だと捉えると、書くべき内容の優先順位が見えやすくなります。

求人票の内容が応募数やミスマッチに与える影響

求人票の内容は、応募数にも応募の質にも直結します。

たとえば仕事内容が抽象的だと、求職者は自分に合う求人か判断できず、応募を見送ることがあります。逆に、対象者を絞らずに広く書きすぎると、応募は来ても自社が求める人材像とずれやすくなります。

実務では、「未経験歓迎」と書いているのに、実際は早期戦力化を期待しているケースや、「営業」とだけ書いて新規開拓中心なのか既存深耕型なのかが見えないケースも少なくありません。

こうした曖昧さは、単に応募率を下げるだけでなく、面接での辞退や入社後のミスマッチを誘発します。

エン・ジャパンの調査(2025年)では、入社後にギャップを感じた経験があると回答した人が約9割(87%)にのぼり、「想定より悪かったギャップ」の上位には「仕事内容」が39%を占めています。

引用:エン・ジャパン株式会社「20代・30代のビジネスパーソン900人に聞いた「入社後ギャップ」調査」

入社後ミスマッチの多くは、求人票や選考段階での情報の伝わり方に課題があることを示唆しています。求人票は母集団形成のための文章であると同時に、採用ミスマッチ防止のためのフィルターでもあるのです。

求人票に記載すべき項目|2024年4月法改正の追加項目も解説

求人票には、職業安定法や労働基準法に基づき、明示しなければならない項目が定められています。
まずは、従来から記載が義務付けられている基本項目を確認しましょう。

2024年4月1日から、職業安定法施行規則の改正により、募集時に明示すべき労働条件が追加されました。求人票では、従来の基本項目に加えて、次の内容を明記する必要があります。

2024年4月から追加された3項目

・ 業務内容の変更の範囲 : 将来的な配置転換を含む業務変更の可能性

・ 就業場所の変更の範囲 : 異動・転勤を含む勤務地変更の可能性

・ 契約更新の有無と基準 : 有期労働契約を更新する場合の基準
                               (通算契約期間又は更新回数の上限を含む)

応募が集まりやすい求人票の書き方のコツ

求人票は、書き方次第で応募数も応募者の質も大きく変わります。条件面を整えるだけでなく、「誰に」「どんな言葉で」「何を伝えるか」を設計することが重要です。

ここでは、大手からスタートアップまで数多くの採用支援を行ってきたトラックレコードの採用ノウハウをもとに、応募につながる求人票を作るための4つのコツを紹介します。

書き始める前に競合求人と社内情報を整理する

求人票は、いきなり書き始めても応募にはつながりません。「求人票作成はヒアリングまでの準備がすべて」と言われるほど、事前の整理が仕上がりを左右します。

まず行いたいのが、競合企業の求人票リサーチです。業界・ビジネスモデル・職種・会社のフェーズが近い企業の求人票を5〜10本集め、訴求されている魅力や表現の傾向を把握します。

そのうえで、自社が提供できる価値を言語化します。整理の切り口として有効なのが、「市場」「事業・プロダクト」「仕事」「人・チーム」「会社・文化」「環境(成長支援・評価・働き方)」の6つの魅力です。どの魅力で勝負するかを先に決めることで、求人票全体の軸がぶれなくなります。

ターゲット選定とペルソナ設定で訴求軸を決める

整理した魅力のうち「誰に」「何を」届けるかを決めるのが、ターゲット選定とペルソナ設定です。年齢・経験・スキルといった属性に加え、価値観やキャリア志向、現在の働き方への不満まで具体化すると、響く表現が見えてきます。

同じ営業職でも、「成果を出して早くキャリアアップしたい20代」と「安定した環境で長く働きたい30代の子育て世代」では訴求ポイントが異なります。前者には成長機会や評価制度、後者には働き方の柔軟性や福利厚生を前面に出すといった具合です。

ターゲットが曖昧なまま書き始めると、誰にも刺さらない求人票になりがちです。設定したペルソナに対し、6つの魅力のどれを軸に据えるかを組み合わせて設計しましょう。

抽象的な表現は数字や具体エピソードに言い換える

「風通しの良い職場」「成長できる環境」「裁量がある」といった表現は、多くの企業で使われているため差別化になりません。求職者も働くイメージを描けず、応募に踏み出せなくなります。抽象語は、数字や具体的なエピソードに言い換えましょう。

言い換え例

  • 「裁量がある」→「戦略策定から実行まで一貫して担える」

  • 「フラットな文化」→「経営陣もSlack上で即レス」

  • 「急成長中」→「T2D3で成長中」「前年比○%成長」

  • 「コミュニケーションが得意な方」→「チーム内外のミーティングで主体的に発言・調整ができる方」

加えて、「平均残業時間:月15時間」「年間休日125日」のように労働条件も数値で示すと、実態が伝わりやすくなります。情報の透明性は、応募者からの信頼につながります。

必須要件は2〜3点に絞り、候補者目線で書く

求人票を書き慣れていないと、「あれもこれも書きたい」と必須要件が10項目近く並んでしまうことがあります。しかし要件が多すぎると、候補者は「自分には合わない」と感じて応募を諦めてしまいます。必須スキルは本当に外せない2〜3点に絞り、それ以外は「歓迎スキル」に振り分けるのが基本です。

また、求人票は社外向けの文書です。企業が言いたいことではなく、候補者が知りたいことを優先して書く視点が欠かせません。「KPIマネジメント」は「数値目標の設計と進捗管理」、「アカウントプランニング」は「担当顧客ごとの営業戦略づくり」のように、業界用語や社内略語は一般的な表現に置き換えます。

さらに、タイトルは40文字以内、本文は1ブロックあたり100文字程度で区切ると読みやすくなります。また、「WEB/Web/ウェブ」のような表記ゆれを避け、文体も「です・ます調」で統一しましょう。小さな積み重ねが、最後まで読んでもらえる求人票につながります。

書き方の設計ができたら、盛り込むべき項目をチェックする

ここまで紹介した4つのコツは、求人票の「書き方」の設計図です。最後に、実際に盛り込むべき具体的な項目を確認しておきましょう。

法定明示事項に加えて、応募率を高めるために盛り込みたい推奨項目を一覧にまとめました。自社の求人票と照らし合わせ、抜けている項目があれば追加を検討しましょう。

項目

記載内容のポイント

募集背景

増員・新規ポジション・欠員補充など、募集の理由

求める人物像

必須スキル(2〜3点に絞る)、歓迎スキル、価値観・行動特性

仕事のやりがい・魅力

ポジションで得られる経験、キャリアパス

チーム構成

配属先の人数、年齢層、役割、上司・連携部署

使用ツール

Slack、Notion、Salesforce など具体的なツール名

評価制度・キャリアパス

評価のタイミング、昇給・昇格の仕組み

福利厚生

法定外福利(住宅手当、リモート可、副業可など)

選考フロー

面接回数、担当者、選考期間の目安

会社の特徴

ミッション・ビジョン、事業フェーズ、成長性

【職種別】求人票の書き方の例文

求人票の書き方は職種ごとに押さえるべきポイントが変わるため、自社に合う具体例を見ながら作成したい担当者も多いのではないでしょうか。

ここでは、応募判断に直結する「業務内容」と「求める人物像」に絞り、営業職・事務職・エンジニア職それぞれの例文とポイントを解説します。なお、労働条件や加入保険など法定明示事項は、前述の「求人票に記載すべき項目一覧」を参照してください。

営業職の求人票の例文

営業職は応募者数が多い一方で、ミスマッチも起こりやすい職種です。
「営業」という言葉だけでは、新規開拓なのか既存顧客フォローなのか、個人向けか法人向けかが伝わりません。扱う商材、営業スタイル、目標数値まで明示することが大切です。

【例文】法人向けSaaSの新規開拓営業

業務内容 

中小企業の経営者・人事責任者を対象に、自社開発のクラウド勤怠管理システムの新規開拓営業をお任せします。
インサイドセールスが獲得した商談(月20〜30件)をもとに、オンライン商談中心で提案からクロージングまでを担当していただきます。

・担当エリア:関東全域(商談はオンライン中心、対面は月2〜3件程度)
・目標:月間新規契約5件/個人予算1,500万円
・提案単価:月額10万〜50万円(契約期間12カ月〜)
・使用ツール:Salesforce、Zoom、Notion

■こんな方に向いています
・無形商材の法人営業経験が2年以上ある方
・顧客の課題を深く聞き、解決策を提案するスタイルが得意な方
・数字への責任感を持ちつつ、チームで知見を共有しながら進めたい方

【ポイント】
目標数値・商談数・単価を明示することです。
営業職の応募者は、入社後の働き方や成果イメージを具体的に把握したうえで応募を判断します。
数字を開示することで、自信を持って目標達成できる候補者に絞り込めます。

事務職の求人票の例文

事務職は応募が集まりやすい一方、「誰でもできる仕事」と思われがちです。実際の業務範囲や役割、キャリアの広がりを丁寧に伝えることで、質の高い応募者に出会えます。

【例文】バックオフィスの経理事務

業務内容 
社員数80名規模の自社において、経理を中心としたバックオフィス業務を担当していただきます。
まずは日次・月次の経理実務からスタートし、慣れてきたら決算補助や業務改善にも関わっていただく想定です。

・仕訳入力
・売掛・買掛金管理
・請求書発行(freee会計を使用)
・月次決算補助
・年次決算補助経費精算のチェック
・支払業務業務フローの見直し・効率化提案(入社半年以降)

■こんな方に向いています
・経理実務経験が2年以上ある方(日商簿記3級以上をお持ちの方歓迎)
・ クラウド会計ソフトの使用経験がある方定型業務をこなしつつ、「もっと良くできないか」と改善視点を持てる方


【ポイント】
業務範囲を時系列で示すことと、使用ツールを具体的に記載することです。
「経理補助」だけでは応募者の経験とのマッチ度が測れません。
入社直後・半年後・1年後のイメージを描ける記述が、応募の決め手になります。

エンジニア職の求人票の例文

エンジニア職は情報の透明性が特に重視される職種です。技術スタック、開発体制、プロダクトのフェーズといった情報が不足していると、経験者ほど応募を見送ります。「何を」「どんな環境で」「誰と」作るのかを具体的に示しましょう。

【例文】自社SaaSのバックエンドエンジニア

業務内容
HR領域の自社SaaSプロダクト(導入企業300社、MAU約5万人)のバックエンド開発をお任せします。
直近はマイクロサービス化を進めており、設計フェーズから関わっていただける環境です。

・新機能の設計・開発・運用(Go、PostgreSQL、AWS)
・既存APIのリファクタリングおよびパフォーマンス改善
・プロダクトマネージャー・デザイナーとの仕様検討
・開発チーム:エンジニア8名(バックエンド4名、フロントエンド3名、SRE1名)
・開発体制:スクラム開発(2週間スプリント)、GitHub、Slack、Notion

こんな方に向いています
・ Webアプリケーションのバックエンド開発経験が3年以上ある方
・クラウド環境(AWS/GCP)での開発・運用経験がある方
・技術選定や設計の議論に主体的に関わりたい方

【ポイント】
プロダクトの規模感(導入社数・MAU)と開発チーム構成を具体的に示すことです。
エンジニアは自分のスキルが活きる環境か、成長できる技術課題があるかを重視します。
抽象的な「モダンな開発環境」ではなく、使用技術と体制をそのまま書くほうが響きます。

求人票の書き方に関するよくある質問

ここまで求人票の書き方について解説してきましたが、実務では細かな疑問も出てきます。採用担当者から特に多く寄せられる3つの質問に、ポイントを絞ってお答えします。

求人票で書いてはいけないNG表現は?

求人票では、法律で禁止されている表現や、実態と異なる表現は記載できません。主なNG表現は以下の3つに分類されます。

表現

詳細

性別を限定する表現

「男性歓迎」「女性のみ」「営業マン」「看護婦」など。

男女雇用機会均等法に抵触します。

年齢を限定する表現

「30歳以下」「若手限定」など。

労働施策総合推進法で原則禁止されています。

国籍・信条を限定する表現

「日本人のみ」「○○宗教の方歓迎」など。

職業安定法で禁止されています。

また、実態と異なる表現も避ける必要があります。

  • 「完全週休2日制」と書いて実際は隔週休みだった

  • 「月給30万円」と書いて固定残業代を含んだ金額だった

  • 「アットホームな職場」など曖昧な表現

いずれも職業安定法違反やトラブルの原因になります。
抽象的な言葉は、具体的な数字や事実で裏付けましょう。

IndeedやGoogleしごと検索で上位に表示させるコツはありますか?

IndeedやGoogleしごと検索(Google for Jobs)は、求人票の記載内容をもとに検索結果を組み立てています。そのため、求人票の書き方そのものが掲載順位や閲覧数に影響します。

意識したいポイントは次の3つです。

  • タイトルに職種・エリア・特徴を含める
    「営業職募集」ではなく「【東京・オンライン商談中心】法人向けSaaSの新規開拓営業」のように、求職者が検索する言葉を含めると表示されやすくなります。

  • 業務内容・労働条件を具体的に書く
    曖昧な表記は検索エンジンに評価されにくく、求職者の離脱要因にもなります。給与はレンジで、勤務地・勤務時間は数字で明示しましょう。

  • 求人情報を定期的に更新する
    長期間放置された求人は評価が下がる傾向があります。月1回程度は内容を見直すのがおすすめです。

同じ内容でも、書き方次第で閲覧数は大きく変わります。求人票は「書いて終わり」ではなく、「見つけてもらう」視点での設計が欠かせません。

求人票で応募が集まりにくいときはどこから改善するとよいですか?

応募が集まらないときは、次の3つの順で見直すのが効果的です。

  1. タイトルと冒頭の業務内容
    求職者は最初の数行で読み進めるかを判断します。以下の例のように、職種・商材・働き方を具体化しましょう。

 例 : 営業職募集
       →【オンライン商談中心】法人向けSaaSの新規開拓営業

  1. 労働条件の具体性
    「給与応相談」「残業あり」は不安を招きます。給与はレンジで、残業時間は「月平均15時間」など数字で示します。

  2. ターゲット設定と訴求軸
    求める人物像と自社の魅力がずれている場合、応募は伸びません。「誰に」「何を」届けるかを再設計しましょう。

タイトルと労働条件の修正だけで閲覧数が改善するケースも多くあります。まずは手をつけやすい箇所から見直すのがおすすめです。

改善を続けても応募が伸びない場合は、採用戦略そのものの見直しが必要なサインかもしれません。

ターゲット設定や訴求軸の設計、選考プロセスの見直しなど、採用活動全体を一貫してとらえた視点が必要になる場面もあります。自社だけでの改善に限界を感じたときは、採用支援のプロに相談するのもひとつの方法です。
トラックレコードでは、採用戦略の設計から求人票の改善、母集団形成、選考設計まで一気通貫でサポートしています。採用活動の成果を一段引き上げたいとお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。

求人票の書き方のポイントを押さえ、応募につながる採用活動につなげよう

求人票は、求職者が企業と出会う最初の接点であり、応募数・応募者の質・入社後の定着率までを左右する重要な採用ツールです。本記事では、採用支援(RPO)を行うトラックレコードの採用ノウハウをもとに、応募が集まる求人票の書き方のポイントを紹介しました。

  • 事前整理:競合求人のリサーチと、自社の魅力の言語化から始める

  • ターゲット設定:ペルソナを具体化し、訴求軸を絞る

  • 具体的な表現:抽象語を数字やエピソードに言い換える

  • 候補者目線:必須要件を2〜3点に絞り、わかりやすい言葉で書く

加えて、職種ごとの特性を踏まえた書き分けや、NG表現への注意も応募率を左右します。
本記事で紹介した例文は、ぜひ自社の求人票を作成する際のテンプレートとしてもご活用ください。

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